2015年12月1日火曜日

ホクブクビワヘビ3匹目

D. p. edwardsii


 ご無沙汰していますが、皆さん楽しい両爬ライフをお過ごしでしたでしょうか。みどもはと申しますと、理由は記事の一番最後に述べますが、この二か月、いままでの人生こんなにつきっきりで生き物の世話をしたことはないというくらい世話にあけくれていました。そうなってくるとやはり生活上のよしなしごと>野外に出る(兼・犬の散歩)>>>パソコンタイム の順になって来ざるを得ないので、なかなか両爬ブログを楽しむ時間がとれていませんでした。

 そこでホクブクビワヘビであります(どこでや)。朝の比較的早い時間帯に見つけたので動きもにぶく簡単に捕まえられましたが、この時の気温が5度ほどしかなく、そんな中で動き回っていた事に驚きました。いつも感心するんですが、こういう生き物って一日の気温の推移をある程度予知できるんだろうか?この日も昼は20度近くまで上がる予報になっていたので・・・。なんとなくさすがだなあと思いました。

 それにつけても今年は異様にあたたかいです。以前の記録を見ると、去年の今頃、感謝祭の食事を食べる頃に雪がちらついていたとか、温度計の最低気温の枠が零下から出なくなったなどという事が書いてあったんですが、この所クビワヘビだけでも先月と合わせてもう3匹見かけています。ほかにもここ2週間ほどでデケイヘビの新しい死骸と、近所の半外飼いネコがブラックラットスネークの亜生体を咥えている(怒)のも見たので、全体的にヘビ達がまだ活動的にしている事に驚きます。日本は最近亜熱帯化しているみたいですがここ北バージニアでも、祖父母の代から住んでいるという人に話を聞くと、やはり昔よりも大分暖かくなっている気がする、ということでした。温暖化、ヒトによる自然環境の改変・消失と、考えだすとどうしても暗い気分になります。最近もこんな話を目にしたばかりで、中国のはなしになりますが、過去40年間で陸上生物の個体数の約半数を失ったとか。無脊椎動物や哺乳類、鳥類等、部門によって減少率は異なるものの、われらが両生類・爬虫類に至っては減少率が97.44%ということで、(この数値にどこまでの信憑性があるかは個々人の判断に任せるとして)自然が圧倒的に壊され、持ち去られ、失われ続けている事実を意識せざるを得ません。

 「つづき」以降に、このクビワヘビの他の写真+おまけをアップしたので、興味のある方がおられましたら。

2015年9月30日水曜日

禁忌きっず


 たまには細かいことは忘れて、ただただ「美しい」「きれいだ」と感じるものを眺めて過ごしたい・・・という心理になること、ないでしょうか。 人間の感じる「美しさ」とは不思議で、基本的には健全さ、健康さ、善、神聖さなどなどの感覚と共に語られるものの、規範や倫理や良識とは一切かけ離れたところにぽつねんと存在している場合もあるので厄介です。美的感覚がスタンダードからちょっとズレてる爬虫類愛好家の皆さんにならきっと、分かってもらえると思うのですが(微妙に失礼)。




 とりあえずこの数年間でジャグポンドロが急にふつくしくなっていてビックリしたという新鮮な驚きがあったことの備忘録として。2番目の写真は4年前にドイツ・ハムのエキスポへ行った時の写真なのですが、この頃モレリアのハイブリッドものといえばカーポンドロが主流だった中、ジャガーカーペットパイソンとかけたジャグポンドロ(ジャガポンドロ)が一頭だけいたのが印象に残っていました。顔は見えないけどおおよその雰囲気は伝わるでしょうか。繁殖者によるとブリードの方向性も、エキゾチックなカーペットの模様とツリーパイソンのトロピカルなグリーンを融合させることに重きをおくカーポンドロと並行して、ジャグポンドロの場合はとりあえず「一体どうなるんだろ?」という、好奇心から実験的なかんじでやっているという話でした。やはり最終的には「ミドリのジャガー」を目指していたのかもしれないですが、それが思いもしない方向に開花したのが一枚目の個体、デンマークの愛好家のコミュニティで話題になっていた写真です。今後どのような風に成長していくのかがとても気になりますね。




 因みにそのハムでの思い出の一枚がこちら。なんてことない通路から小会場を臨んだところの写真ですが、入り口にアプローチも出来ないほど人がうじゃうじゃして、HBMでもこんなにひどくはなるまいという熱気が伝わってきます。中に入ればドイツジャーマン世界の兄貴達に、ところどころ汗でアイラインのよれてしまったゴス男などの入り混じるモッシュピット状態で、3月だというのにモワモワした温室のような空気感だった。これはこれでけっこう楽しかった思い出です。


2015年9月2日水曜日

あめりかーぬすクン



 残暑がまだまだ厳しいものの、散歩やイヌの散歩などで(重複)毎日外に出ていると、日々刻々と日照時間が短くなっているのが感じられる頃となりました。そんなうちの周辺では、虫などもセミや大型の鳴くバッタの最盛期がほぼ終わりを迎え、トンボや小型バッタのシーズンに移り変わってきています。特にトンボは結構種類が豊富で日本のギンヤンマやオニヤンマ、シオカラトンボにそっくりなものがこちらにもいるので、外国にいながらどことなく日本の里山の晩夏といった風情を感じることが出来ています。

 昨夜もそんなかんじで暑く湿気た晩だったんですが、夜帰宅して表の照明を付けてみるとアメリカヒキガエルの亜成体がいました。このカエル、たまにまわりでフンを見かけていたのでうちの玄関に住んでいるらしいというのは知っていましたが、実際に見るのは初めてだったのでちょっと嬉しかった。アメリカヒキガエルについては今までにも何度か書いていますが(話題1)(話題2)(話題3)北米・北東海岸の広い地域に住む、なんかムクムクした感じの手のひらサイズのかわいいカエルです。ネットでみると体色にけっこうばらつきがあるようなんですが、うちのまわりで言えば、活発な時期は写真のような明るいオレンジ色になるものが多いです。近隣の地質が明るい色をした粘土質なのが関係あるような気がしています。


 カエルは電気つけてから数秒以内に写真を撮らないと人相(?)がずいぶん変わってしまうので、難しいですね。

新作「ムチムチ!ふくらガエル」で熱演中のあめりかーぬすクン(5ヶ月)。


 こんな調子で「ちょっと右の方向いてみようか」「いいね~!その顔いいよ!」とひとしきり写真をパチパチしまくってから、しかしこのカエルは5月の誕生から苛烈な生存競争をかいくぐってここまで大きくなったいわばスーパー勝ち組個体、人間で言うならば、20代で「西麻布にマンションもってます。あっでも私は住んでないの。投資用なので」とか言っちゃってる女みたいな存在だったと気付き、なぜか一気にヤル気が失せたので(笑)撮影会は終了と相成りました。やっぱりグラビアの被写体はどことなく薄幸感、物質または精神面での貧困の香りがしなくてはダメですねえ。って、一体何の話なのか。

2015年8月6日木曜日

リューシスティックレインボー




 春先にイヌが来たばかりの我が家ですが、さらに新たな住人を迎えるべく部屋を大改装したり、ドサクサに紛れて自分の爬虫類部屋の模様替えにも着手したりと、ブログを更新する時間がなかなか取れませんでした。私事ですが今年、2015年は自分にとって何かと変化の多い年となっていて、この傾向は今年いっぱい続きそうです。

 そんなこんなで、かわいいヘビのグラビア風写真でお茶を濁そう!という姑息な魂胆丸見えですが、コロ虹のリューシを。この写真はちょっと前にペンシルバニア州のハンブルグといううらぶれた小さな町で開かれた即売会を見に行った時、ブリーダーがNFS(展示オンリー)のコンテナから出して「おさわり」させてくれたものです。このモルフは管理人の自宅のある州の問屋が最初に繁殖したとされているので、なんとなく親しみを感じていましたが、こうして直接手にとって間近に個体を見る機会は今までありませんでした。このモルフのヘビ達はブルーアイなのが特徴ですが、上の個体は(写真では見えにくいですが)半分ブルー、半分ブラックのオッドアイとなっていて、さらにもの珍しさが増していました。

 ところでレインボーボア本来の色彩や紋様がすごくイケていると思っている自分にとっては、こんな風にわざわざ真白にしてしまうのはポイントレスというか、なんかもったいない気もします。コロ虹はボールのようにシリーズでコンプする類の立ち位置には今後も入らないだろうし、高額な割に今後どういう展開が可能なのか不明な変異です。そういう意味では、コレクションの中で真の贅沢品となりえるモルフなのかも知れないですね。

2015年5月30日土曜日

ダスキーサラマンダー?


 日本はもう大分あったかくなっているそうですね。こちら北バージニアでも最近「もう、夏だなあ」と思う日が増えてきたんですが、そうするとなぜか金魚が飼いたくなります。自分は魚や泳ぐカメなどの水ものを外で飼うと、ふだんは一日一回、夏場は半日に一回換水したくなる狂人なのでそのうち飼ってることが苦痛になるのは目に見えてるんですが(魚にとっても迷惑でしょう)、あの全てを洗い流してスッキリした庭のたたきで風鈴の音を聞きながらスイカを食するという天上の娯楽から最近遠ざかっているためか、欲求が募ります。

 表題のダスキーサラマンダー?(Northern Dusky Salamander, Desmognathus fuscus)なんですが、そんな水への渇望からか「フタスジサラマンダーを見る」という名目でフラフラと沢へ引き寄せられて行った時、偶然出会ったものです。上の写真だとまだ外鰓が残っているのが見えるので、おそらく生後一年弱ほどの亜生体でしょう。体長は7、8センチといったところで、体の大きさ的にはほぼ成体と変わりないほどになっているのですが、エラが消えて陸へ上がる前の最後の時期をこの沢付近で過ごしていたものと思われます。上陸してしまった成体を見つけるのは大変なので、こうして見られてラッキーでした。(他の写真は、2枚だけですが、もっと読む以降にアップしました。) ※6月7日追記。なんだか、写真を見ているうちにレッドサラマンダーかも?と思い始めました。今の所確信がもてないので、「?」を追加しときました。

2015年5月17日日曜日

トウブハコガメ2匹目


 運転中、視界の端に一瞬写ったものがカメだった気がしてUターンしたところ、またもやトウブハコガメと遭遇しました。今年はハコガメの当たり年なんでしょうか。前回に続き車道を今まさに渡ろうとしているところでしたが、通勤時間帯前後で交通量もあったので、見つけるのが少し遅かったら死んでいたかもしれません。カメは、助かってラッキー、自分はカメを見られてラッキーでした。こんどのはまだまだ若そうなオスで、また裏の保護林へリリースしました。本来であればカメの進行方向だった先にある緑地に移せればよかったのですが、そのためには当日発砲事件があって死人が出たばかりの団地を通らないといけないという、実にアメリカ的な理由によって断念せざるを得ませんでした。


 保護林にリリースする前に記念写真。ハコのフタがぴっちり閉まって、この状態だと時には40分くらい待っても出てこなかったりするので、非常に根性のある生物です。甲羅の前側の縁がケロイド状にボコボコになっています。たまに、種やオスメスに関係なくこうなっているカメを見かけますが、人間のすぐ隣を棲み場所に決めたカメの場合、生活のなかで事あるごとにコンクリートや装飾用の石材でできた段差や階段、用水路の縁でこすったり、そこにばい菌が入ったりして徐々にこのようになっていくのかなと考えています。ペットショップにいたら「汚いカメ」という一言で終わってしまいそうな状態ですが、野生のカメが一生懸命、与えられた場所でもがきながら強くたくましく生き延びてきたという証でもあるかもしれません。


 甲羅の写真ばかりではアレなので・・・最後に、二日前近所の友人の庭に表れたハコガメの写真をば。このカメはアダルティーなオスでしたが、甲羅の山吹色もさることながら上半身もばっちりオレンジ色に発色していてなかなか綺麗でした。これまで見つけた3頭に関しては、全て州の両・爬保護団体のトウブハコガメ専用窓口に報告していますが、自分も含めた一般人のこういう草の根的地道な作業のつみかさねによって近隣のハコガメの数が少しでも増えてきているのだとしたら、そしてその結果が今回こうして身近に見られたカメ達なのだとしたら、大変嬉しいことです。

2015年5月14日木曜日

案外近くに居たらしい。


 もう、夏ですね。この間までさむいさむいと言っていた北バージニアですが、もう日中最高気温が30℃に迫ろうとしています。それだけでなく湿度もかなり上がってきていて、むし暑いのが駄目な管理人は日照の少ない時間帯を選んで姑息にうろちょろしていたところ、この間の健康診断で「ビタミンD不足」と言われてしまいました。仕方なく人間用のサプリメントを購入しようか検討していますが、あれって結構お高いですよね。そんな時目の前にネクトンやらレプティバイトやらのビンがコロコロしていたりすると、変な考えがよぎります。

 そんな訳で最近は日中でも積極的に表へ出るようにして居たところ、今日の昼頃、野生のカロリナ(トウブ)ハコガメに遭遇しました。我が州でもかなり生息数が減ってきているとされるこのカメ、自分も当地に3年ほど住んでいて、生で見るのは初めてだったのでかなり興奮してしまいました。こういう生き物は大抵探してもなかなか見つからないものなので、特に嬉しかったです。見つかったのが自宅の裏庭に等しいような住宅地から至近距離の道だったのでびっくりしましたが、灯台下暗しというか、案外ずっと傍でひっそりと暮らしていたようです。大きく丸々としたなかなか立派なメスでしたが、甲羅の一部にいっぺん、バキッと割れたような跡があったのが気になりました。

 このカメが居たのは近隣の比較的大きな道路の脇で、交通量も一定数あるようなところです。ひとまず保護してから、カメの向かっていた方角の緑地帯にリリースしましたが、移動させている最中思い出したのは3年ほど前に読んだ話でした。NASAのエンジニアが趣味で行った実験によると、被検地となったアメリカの交通量の少ないハイウェイで、全体のおよそ6%のドライバーが路上の爬虫類をわざと轢いていくことが分かったというものです。それに対し生き物を助けようと車を降りた人の率はヘビで1.7%、カメで4%にとどまりました。カメの場合、別の見方をすれば96%の人はカメを(故意に轢いたりはしないものの、)路上に放置したまま立ち去っているとも言えます。


 カロリナハコガメの場合、近年の野生個体数減少の大きな原因というのが生息地の消滅と、自動車や農耕機との接触事故とすでに分かっています。毎年多くのカメが交通事故で命を落としたり、たまたまラッキーで助かったとしても、障害を負って痩せた状態で見つかり保護されるものもいます。そういうことで最近ではハコガメに限らず道路を横断しようとしている爬虫類が居た場合、道路外へ(生体の頭の向いていた方向へ)移動させて放すことが推奨されるようになりました。生息地がいつの間にか開発されてしまった彼らにとってはとても難しい時代になったかもしれませんが、なんとか生き延びて、今年もがんばって命を繋げていってほしいものです。


2015年5月10日日曜日

情報は正確に



 両・爬の話題に限らず色んなニュースサイトをよく読みます。空き時間や寝る前などにちょこちょこ読めるので、怠け者の自分にはピッタリのメディアとして重宝しているんですが、内容が不完全なように思うものだとか、誤ったことを平気で書いている記事が案外多いのにも気付かされました。こんな発見、「いまさら」なのかも知れませんが、こと「健康」とか「医療・医薬品」に関する記事で、解説が不完全なものなんかは個人の健康に関わるぶん、正直いかがかなーと思いますね。

 似たようなケースで最近、とあるブログニュース形式の爬虫類関連サイトを読んでたら、薬の個人輸入にまつわるトピックが挙げられていました。筆者の方の飼われていた生体が病気になったので獣医師の診察を受けたが、獣医師の処方薬の価格が不適正と考え→薬を個人輸入して生体に使った、というプロセスが記事となっていました。生き物を飼っていれば病気になることはあるし、薬の個人輸入もそれ自体は何も悪くないと思いますが、該当の記事では、使われている医薬品の種類も容量も該当する生き物と症状を見る限り、おそらく不適切なんじゃないかと思った事、また医薬品の解説自体も非常に簡素で、どのくらいの量を・どのくらいのスパンで用いたかなどの記録はおろか、副作用などの基本的情報にも触れられていなかったのが気にかかりました。最もマズいと思った点は筆者の方が自宅で行った治療?過程が少しずつ別記事にまとめられ、リンクで飛ぶようになっていて、一連のことがなんとなく「情報発信」的なノリで扱われている事でした。

 管理人が思うに、ニュース系のブログを書く人は自分の書いたものがいったいどんな人に読まれているのか、いつも気を付けておく必要があるんでないかなと思っています、特に両爬の医療・医薬品なんてマイナーなトピックに対しては。爬虫類を飼っていて、生体が病気だからといって自力で書物を読みふけったり、サクッと会社休んで新幹線の切符とって専門医に行ったり、外国語の出来る友人に焼き鳥をおごるかわりに海外の医療情報を翻訳してもらうとか、そういうことが出来る人と言うのはたぶん少数派でしょう。ネットで医療情報を収集しようとする人というのは多くの場合上記には当てはまらないような、時間や経済力の制約がある中で、もしかしたら藁にもすがる思いでブログを読んでいるかもしれない層が主だというのは容易に想像できます。例えば少ない小遣いを貯めて買ったカメが病気になって泣きそうな小学生とか。子供にせがまれてヤモリを飼ってみたものの、様子がおかしくて焦ってる共働きのお父さん・お母さんとか。そういう人の中には、もしかしたらネットで急いで得た情報、間違っているかもしれない情報の検証や取捨選択が正しく出来ない人もいるかも知れません。だからこういうセンシティブな話題に関して記事を書くなら、少なくとも題材をきっちり調べて信頼できるソースを複数提示し、よりコンプリートされた情報に仕上げるように努力していくべきじゃないかと思います。中途半端な知識とか「自分はこう思った(けど違った~)」みたいな内容をあたかも「情報発信」風に書き連ねていくことは誤解を招くし、それがもとで、どこかの誰か見知らぬ人が可愛がってる生き物が命を落としてしまったら?。ブログニュースも立派な報道、どうせやるなら同じ両・爬人としての情熱やまごころを求めたいなあ。というのが、この件をきっかけにぼんやりと思った感想であります。今読み返したらなんだか説教臭いような、うっとおしい文章になってしまいました。でも、個人の辺境うんちく雑記ブログなのでいいや。

 そういえば「ネットでワラにもすがる感じで情報収集している人」で思い出したんですが、実は自分もしっかりその一員なんですよ。今日の見出しの写真、ハワイのハワイ本島で以前食べた謎の海産物なんですが、4年経った今も、あの日一体自分が何を食べたのか分からないままなのです。夜ホテルでビール飲もうと思って、KTAという地元民のスーパーで購入したもので・・・ちっちゃな海のタマヤスデという感じで・・・なんかカニみたいな味で甲殻類だというのは確かなのですが。ときおりネットでハワイ島在住の方の「情報発信ブログ」などを調べているんですが(笑)、未だ確証に至っていません。誰かこの正体をご存じの方、ハワイ島の地元のお惣菜に詳しい方いらっしゃいませんか?もしよかったらアドバイスをください。


2015年4月13日月曜日

オタマの近況2 ※閲覧注意




 ごくありふれたカエルながら、管理人がとても気にいっている種のひとつにアメリカヒキガエルがあるんですが、今年もどうやら彼らの繁殖期が始まったようです。先年は記録をみると3月中にもう繁殖行動があったはずなので、今季はちょっと遅いようです。きのう初めて知ったんですが、このカエルは日中でも盛んに鳴き交わして包接したりする様子が見られるんですね。大きなメスでも手のひらに楽に収まるくらいの小型のヒキガエルが一生懸命頑張っている様子はなかなか愛らしいものがあります。当地の他のカエル達は日没後一時間ほど経たないといわゆるフル・コーラスの状態にならないものがほとんどですが、そんな中アメリカヒキガエルは(夜間の方が活発とはいえ)日光の元で活動が見られる数少ないカエルで、人間の方からしたらありがたいです。またまた画質はしょぼいですがビデオを添付したので、彼らの繊細で綺麗な声をよかったらお楽しみください。

 ところで話は変わりますが、先日孵化して元気な姿を見せてくれたウッドフロッグのオタマジャクシ達を、皆さん覚えておいででしょうか。昨日また気になって犬の散歩がてら見に行ったところ大変な状態になっていたので、「もっと読む」以降に追記をまとめました。集合体恐怖症の方がいるかもと思っていちおう閲覧注意物件としました。

2015年4月3日金曜日

オタマの近況



 ※今日の記事は オタマ好きにとっては閲覧注意かもしれない写真を含みます。

 アカガエルの仲間、ウッドフロッグの例の卵塊を見に行ってみると孵化が始まっていました。携帯のカメラで撮ったので画像がボロイですが、雰囲気程度は伝わるでしょうか。ゼラチン質から出てホヤホヤのオタマ達が落ち葉の上で休んでいました。だいぶ形の崩れてきた卵塊の傍ではブルフロッグ(ウシガエル)のオタマジャクシも頻繁に見かけるんですが、ここを隠れ家として利用しているのか、それとも孵化したてのオタマでモタモタしているやつをジョリジョリしちゃっているのか、疑問が残りました。とりあえず生まれた瞬間から既に、なんらかの生存競争が開始されているらしき事が分かります。閲覧注意かもしれない写真は「もっと読む」以降に別記しました。

2015年3月27日金曜日

うれしい再会


 昨日は気温が急上昇し、驚きの23℃をマーク。こういう日は一気に生き物がぶわっと出てくるので、件のイヌを連れ、喜び勇んで繰り出しました。昨年悲しき死を遂げたカメラの後釜もやってきて、さあ今年もイケてる(死語)両爬の写真をバチバチ撮りまくるぞと色々レンズを向けていたものの、設定もさることながら、レンズ自体も適していないものを持ってきてしまっており、撮ったものの殆どがピンボケになるという残念な結果となりました。練習をして次回に期待したいと思います。上の写真はそんな中なんとなく顔にピントの合った気がしたセアカサラマンダー。いつもながら変わり映えしない絵面ですが、こうして出会う一匹、一匹、みな雰囲気が違う気がして、気が付くとついついイモリ掘りに熱中しています。

 今回見られた生き物はアメリカヒキガエル(Anaxyrus americanus、アカガエル(Lithobates sylvaticus)の成体+大型の卵塊をさらに3つ、おなじみのセアカサラマンダー、それから実物は確認できなかったものの、スプリングピーパー(Pseudacris crucifer)のメイティングコールを多く聞くことが出来ました。彼らの声を聞くと今年もカエル・ウォッチの季節が始まったな!と思うんですが、まだ本調子ではない体力の殆どをイヌに費やしているという状況で、なかなかポイント巡りをする所までもって行けていないのが残念です。うちのイヌは水を見るといやに興奮しだして飛び込もうとするのも、若干困っている所です。フィールドから帰って夜10時に足跡だらけの愛車のハッチバックを這いつくばって拭き掃除し、沼の香りのする暴れるイヌを洗うと、子犬用シャンプーの泡がしみるのか、目から水がとめどなく零れ落ちてきます。今年になって、このように生活上新たに加わってきた要素というのがいくつかありますが、これらに対するはたきかけを「労働」ではなく、長期投資の一環と好意的にとらえて、気長にやっていきたいなあと思っているこのごろです。

2015年3月23日月曜日

散歩再開しました。


 春です。といってもまだまだかなり寒い中、両生・爬虫類の即売会へ行ったり、近隣の雑木林の散歩習慣も徐々に再開しています。今日は、産みつけられたばかりと思われるアカガエルの仲間(wood frog)の大きな卵塊を見つけました。横幅60センチほどのサイズのがいくつかあったので、あとでオタマジャクシが沢山わきそうです。この卵塊を隠れ蓑にしながら、下の方で2年モノと思われるかなり大きなウシガエルのオタマジャクシも活動していたので、カエル達の春支度はなかなか順調なようでした。スポッテッドサラマンダーの産卵期も今くらいの筈なんですが、残念ながらここでは繁殖はしていないようです。条件的にはほぼぴったりの筈なんだけれど、何かが気に入らないらしい。モールサラマンダーが繁殖するような池は一年の間でも一時期にしか現れないものが多いため、なかなか見つける事が難しいです。

 右端にちょこっと写っているのはクマの子供ではなく、今月から家族の一員となったイヌ。大きい哺乳類を飼うのは久しぶりなので(爬虫類などと比べ)その燃費の悪さ、常に何か口にしていなければならない不便さに同情しながら育てています。将来、トレッキングのお供になってくれるよう鋭意育成中です。

2015年2月23日月曜日

ワニだって遊ぶという話


 爬虫類はどのくらい頭がいいのか?という、管理人が日ごろ興味を持っているテーマなんですが、それに関連する話題として最近、「ワニも遊んでるらしい」という新説が発表されました。興味のある方は読んでみると面白いかも知れません(テキスト全文[PDF]、あと日本語の記事でとても分かりやすくまとまっているものもありました)。爬虫類以下の動物に関するケーススタディみたいなものが最近増えていると感じますが、トレンディなテーマなんでしょうか。単に新説を唱えやすい分野なのかもしれない。

 この話の概要を一言でいえば、野生下・飼育下両方におけるワニの観察を通して、彼らの間にも、ほかの動物と同じく遊び-運動遊び(locomotor play)、物体遊び(object play)、社会的遊び(social play)行動が存在する!という主張につきます。爬虫類の行動研究とはどういう尺度を使って解釈しているのかが人によって違う印象があるのでどうしても眉唾感は付きまといますが、こういう研究に長い年月を費やす人が出てきたという事だけでも、意義ある事だと思われます。

 ところでこれを読んで思い出したのが(手前ミソ的でアレなんですが)二年前にちらっと書いた話です。これなんかも「ワニにも遊び心がある」という前提で見てみると、ある時鼻に引っかかった小枝を「もてあそんで」いたところ、たまたま鳥をおびき寄せることに成功したワニがそれを学習して、捕食活動に昇華させていったというシナリオが浮かんできます。フトアゴヒゲトカゲの研究では、個体間でお互いの行動をマネして学習するという行動が観察されているので、主観だけれどより賢そうなワニの間でこういう「有意義な遊び」行動が広まっていくというのも、ありそうですね。つまるところ、私達生き物にとっての遊びというのは=可能性の模索であり、全ての遊びは生命にとって不可欠な、次世代へ生き延びていくための手段の探求へと通じているのではないかと思われます。そうやって考えると爬虫類や両生類、魚や果ては昆虫の仲間に至るまでいわゆる「遊び」と思われる行動が存在したとしても不思議ではないし、我々人間達の間でも、一見ムダな「遊び」に興じる事が、将来重要な発見のきっかけを運んでくることもあるわけで、そういう人々を笑ったり、バカにしてはいけないと思うわけであります。と、一見無意味な趣味である、爬虫類・両生類好きが申しているわけであります。

 今日の写真はワニの遠縁ということで動物園シリーズ②、先週水曜日のガリアル(Gavialis gangeticus)のお姉さま。彼女自身は堅実・真面目で「遊んでる」という印象を抱いた事はないですが、このガリアル水槽に同居している、自分が「スナック」と呼んでいるオオアタマガメがチャラ男であり、立場もわきまえずに彼女の上に乗ったり、彼女の口吻のまわりを意味もなくウロウロしたり、用もないのに浮いてる葉っぱのまわりをクルクルしていたりわが物顔で、かなり「遊んでる」雰囲気です。ガリアルがお魚が好きな大人しい生き物だという事が幸いでした。このワニは「ガビアル」では?と思った方で、お時間のある方は、よかったらこちらのうんちくもご覧ください。

2015年2月16日月曜日

※ブログのんびり更新のお知らせ


 ボランティア先のカパーヘッド。以前書いたかもしれないけれど、子猫を思わせるような、ペコちゃんと鬼太郎の猫娘を足して二で割った的なというか、どことなくコケティッシュな魅力を持った顔立ちの生き物です。魅力は表情のほかにもあります。どういうわけだか知らないけれど、このヘビは体臭がほのかに香ばしい気がするんですよね。例えていうなら、「どっか遠くの家が、パンを焼いているなと気付いた時」のような匂いです。アナコンダのように近くに行っただけで気力が衰えるような臭気を放つ(※)ヘビも居ますが、こんな不思議な匂い、いや香りを持ったヘビもいるんだなあと毎度通りすがるたびに感心しています。そうやって改めて見ると、どことなくパンっぽい色と質感のヘビですね。写真の様な北部の個体群は斑の陰影がより濃い傾向にあるので、丸まってたらカリカリベーコンパン的に見える可能性も、きっと無きにしもあらずでしょう。これは、もしも野外で見かけてもおっ!こんなところにパン♪と拾わないようにしないと。こちらの手が「パンパン」にされること請け合いなので。
 
 ※ヘビ本体と言うより、彼らがずっと漬物のように浸かっている水が臭いように思われる。



 そんなこんなで2月もあっという間に半ばを過ぎてしまいました。散歩道で爬虫類や両性類にほいほいと出会える季節はまだもう少し先ですが、外で鳥類や哺乳類などの様子を見ているともうすっかりと春の繁殖期に向けた行動に変わってきているのがわかり、自然界の春支度は、もうすでに始まっているんだと思わされる事が増えてきました。

 そんな中私個人はといえばどういうわけか急に多忙になってしまい、ここへきて体調不良も重なって、フィールドどころか近隣の散歩にも出られない日々が続いていました。こんな状態でさらに無謀にも犬を飼う計画まで立てちゃったりして(例の安全対策の一環として)、これから一体どうなってしまうのか見当も付かない状況なのですが、それら諸々条件変化の帰結として当面、ブログの更新がスローペースになることをご報告したく思い、エアー筆をとりました。

 とはいえ今後もエキスポ等に足を伸ばしたり、カエル・ウォッチや、生体カウントの手伝い等は出来る限り暇を見つけてやっていこうと考えているので、できればその合間、合間でなにかノートを残せればと思います。更新が不活発になるのに際して、ブログむらなどのリンクを外そうか検案しましたが、ここを通して知り合いになれた方も多い気がしているので、そのままにしておくことにしました。では、もしよろしかったら、今後もまたのんびりお付き合いいただけたら幸いです。

2015年2月12日木曜日

投薬終わりました。


 家のぺルビアンロングテールボア、通称「大きいロンギ」の投薬期間が終わりました。ここで根治してほしかったので、3日に1回2セットの注射のほかに、日に2回のミスティング、毎日ウェットシェルターの交換(ズボラ流に変更したので清掃がとてもらくになった)、温水浴強化月間として、週に2回くらいをめどに、衣装ケースで風呂に入れてやっていました。注射は片手でヘビを補綴しながらもう一方の手で場所を確認→打つとやっていたため、その間のドキュメンテーションが出来ず残念でしたが、最後の方は大分慣れてきて口に注射器のキャップを咥えながら、ちょっとした野戦病院か、ランボー気分が楽しめました(そんなシーンなかったと思うけど)。ヘビ本人は至って落ち着いており比較的元気ですが、ほぼひと月ほど何も食べていないのでやはり一回り小さくなった感があります。これからちょっとインターバルをおいて、少し強めに給餌をして、月末にあるフォローアップの検診までに体重を9割前後まで戻しておく事を、今後の目標としました。ロンギよ、ひとまずお疲れ様!このヘビはもともと非常に穏やかな性格の個体なんですが、毎度、痛いはずの注射にも怒りもせず、大人しく静かに頑張ってくれたので、毎回自分の血液検査の最中に、担当看護師に「今日のは素晴らしいね」「注射の腕が上がったんじゃない」とか、「今回は今一歩だったね」とゴチャゴチャ批評を加える癖のある管理人としては、見習うべき立派な手本を見せられた気がしました。あとは、次の検診でなんかおかしな菌が見つかったりしないことを祈りつつ。

2015年1月28日水曜日

ゾウガメを飼いたい人へ

今日の午後、ボランティア先にて。新しいフルスペクトルランプの下で談笑するアルダブラゾウガメ達。 


 ゾウガメを「素敵な生き物だ」と思っている人と、「それほど素敵でもない」と思っている人と、世論は二分している感があります。個人の感覚から言えば、前者の方が人口の9割9分を占めているので、ゾウガメ達の未来は安泰なんですが、その陰で身もだえしている後者の方には「仕事で毎日ゾウガメの世話をしている」という稀有な状況にある人々や、「誤ってゾウガメをペットにしてしまった」人々、もしくは「誤ってゾウガメをペットにしてしまった人の家族かなにかで、苦しめられている様をつぶさに観察した人」が含まれています。ともあれ、動物園でフラフラしていると月に1回くらいは「こういうカメって、お家で飼えるの?」という質問をビジターから受ける事に気が付きました。アメリカ人がとりわけ楽観的だからゆえの素朴な疑問なのでしょうか。その質問に答える前に、不肖管理人のゾウガメに対する雑感を少し書いてみたいと思います。

 私の場合、月に何回かゾウガメの世話をするうち、これらの生き物達は「制御不可能なアーマード・うし」だと思うようになりました。なんというか話しても、一切分かり合えない感があります。現金輸送車みたいな体をしていて体力500、魔力(知力)5、防御力3億5000万という感じで、こちらの攻撃はほぼ一切効きません。基本、突進してきたら止められないし、当人たちが動かないと決めたらテコでも動かなくなります。おそらく本物のテコを持ってきてもかなり頑張らないと動かせないでしょう(上の写真に写っている右の個体は体重250キロ)。そしてそのわりに嫌に素早く背後から忍び寄ってきたりするのでたまに真剣に恐怖を覚えます。仮に彼らに『オレンジ色の靴紐を、にんじんさんと間違えて♪』というような牧歌的動機があったとしても、うっかり足を踏まれるかもしれない人間側としては大変恐ろしいものです。そして、うおおおこっちへ来たぞ、と右へ左へしているうちにいつの間にかドアの前に陣取られ、えげつなく脱出経路を塞がれて絶体絶命となってしまうのです。

 もう一つえげつなきことと言えば、そのクソのでかさです(←『ウンチの大きさ♪』という雰囲気ではない)。彼らは、そのクソを腹甲の下に巻き込みながら部屋中をまんべんなく動き回ります。彼らが動き回った後の温室の床は、さながらジャクソン・ポロックの現代絵画のよう。特にオスの下腹部あたりはへっこんで「クソポケット」と言える構造になっているので、腹の下にたっぷりと汚物を付着させたまま、長時間に亘る制作活動が可能となっています。もちろん、水場にクソをする事もあります。動物園のゾウガメ達は健康のため、普通の野菜以外にも牧草をふんだんに与えられているのですが、結果、多くの植物繊維質を含んだクソが水の中でふやあ~ふやあ~っとなって、排水しようにも排水口が、その繊維で一寸の隙も無くガッチリと塞がれた状態になるんですね。だから清々しい朝の最初の作業が「腕を肩までウンコ水につかって排水口の繊維をとる(※繰り返し)」になることもざらです。それからオス達のやたらなる性欲の強さも、まったくもってえげつなきことです。これは、人間の主観によるものなので彼らにとってはひどく不公平ではありますが、温室のオスたちが逃げ回る小さなメスを事あるごとに追まわし、ブオーーーブオーーーとハッスルしている、そのくせ彼女のエサは暴力的にぶんどるのを見ていると、なんだかなあという気がしてきます。岩石に強い食欲と性欲、いわゆる「生存欲求」が宿った状態が、ゾウガメといういきものなのであります。

 なんだか言いたかった事がはっきりしなかったかもしれませんが、とりあえず、もしこれからゾウガメを飼いたいと思っている人がいたなら、ひとことやめておきなはれと申したかったのです。爬虫類が大好きな自分にとって、ワニよりも、アナコンダよりも、飼いきれる気がしない生物がゾウガメです。飼育を検討する前に、まずは1か月毎日仕事帰りに近隣の動物園のゾウガメ温室に通い、そこにいる生き物を観察してみてください。それが無理なら、毎日2時間延々腕立てとスクワットを続けながら、純粋にゾウガメの事だけを考えていられるか、自分を試してみてください。それを一ヶ月間続けてください。仕事もあるのに毎日なんてムリ!と思うかもしれませんが、実際ペットのゾウガメが大人になれば、それと同じくらいの時間を、世話という名の肉体労働に費やすことになるかもしれません。1か月も彼らの生活を見ていたら、思いのほか退屈になってくるかもしれないし、手からニンジンをあげるのだって、半年もやれば飽きてしまうかも知れません。それは、あなたにとって「ゾウガメが日常化した」証です。そしてその「日常」は、200年間続くのです(世話をするあなたが死んだ後も)。そこらへんを、もう一度思い出しながら、ゾウガメと共に暮らすとは一体何を意味するのか、飼う前にちょこっと考えてみることをおすすめします。

2015年1月20日火曜日

誤解もたまにはいいもんだ


 世の中、迷信を持たれている生き物は数多くおり、その度合いも「毒がある(実は無毒)」ようなささいなものから「天候を操る」とか「殺すと呪われる」ような大がかりなものまで、様々だと思います。しかしこと爬虫類・両生類に関するものとなるとネガティブなものも多く、未だにそれがもとで命を絶たれてしまう生き物が沢山いることを思うと、とても残念です。実際、管理人も以前北東部の田舎に居た頃は、沢に出ると釣り人に踏み殺されたミスべヘビの子供をよく見かけました。地元民の間では、彼らは別種の毒蛇と混同され、毒があると思われていたためです(毒があったからって殺していい理由にはなりませんが)。そしてぺちゃんこになった仔ヘビに出会うたびに、野蛮な連中だぜ・・・ガッデームと毒づいていたんですが、そんな自分だって自宅で巨大森ゴキブリと対峙した日には、自らの左脳が「説明しよう!このゴキブリは日本の黒ゴキブリに200%酷似しているが本来森林にしか棲まない自然界の使者であり、大切な生態系の一員なのだ。ちなみにゴキブリは良質なタンパク質と各種脂肪酸に富んだ未来の食材でもあるのだ・・・・・・」と説くかたわら、勢いよく「メーン(右脳)」と丸めた新聞紙を振り下ろしているので、野蛮さという面においてはさほど変わりはありません。

 こんな迷信ですが場合によってはプラスに作用するケースもあるんだと、先日親戚のロシア人達の話を聞いていて思いました。曰くある夏、彼らが保養地のあるカスピ海沿岸部の街で宿をとったところ、部屋に大きなバルカンヘビガタトカゲ(ヨーロッパアシナシトカゲ)がニョロニョロと侵入して来たそうです。都会から来た彼らからしたらまったく馴染みのない生き物だし、何しろ美川憲一みたいな目をしていて気味が悪かったので叩いて追い出そうとしたところ、宿屋の主人やスタッフが「その生き物は宿を害獣から守ってくれるので、苛めないでくれ」と言いに来たと言います。しかし、この生物に馴染みのある方は気付いたかもしれませんが、このトカゲ、実は極めて非力で害獣と激しくファイトして、勝利する力などないんですね。やばいのは見た目だけで、実際の所は動けない鳥の雛や卵、小さな哺乳類の赤子や、弱そうな虫を追いかけまわして食べる位が関の山だろうと思われます。しかしその田舎町では「アシナシ=とても役に立つ生き物」というポジティブな迷信が浸透しているおかげで、彼らの生活と平穏は守られていたのです。

 迷信とは結局、我々人間の中のどこかの不条理で原始的なところからやってくるアイデアの数々であり、単に話の題材としては非常に面白いものがあります。しかし、勝手な思い込みで、良く知りもしない生き物を殺すことはやめたいですね。今日、こんなとりとめのない話をそもそも思い出したきっかけは、アホロテトカゲが地元民に大変恐れられているという話を小耳にはさんだことによります。なんでもこれらのトカゲは現地では人間が大草原で我慢がしきれず「大」をするハメになった時、後ろからこっそりやってきて尻の穴から人体に侵入し、内臓を食い破ってバラバラにし、襲われた人間はゆっくりとしかし確実に恥ずかしすぎる死を迎えると信じられているのだそうです。腹を抱えて笑ってしまいましたが、こんなふうに畏怖の対象になることで、彼らの静かな生活が守られるのだから、概ねいいことのように思います。

2015年1月14日水曜日

トルコナキヤモリの近況


 前回の記事にアイコンぽっちや+1をくださった方、ありがとうございました。応援してもらった気になり、及び腰だった腰も完全に通常位置まで戻ってきた感(?)がありますので、その腰をバッチリ据えて頑張りたいと思います。「大きいロンギ」の方ですが、2日前に投薬前の最後の給餌も済み、これから数日静養してから、治療を始めることになっています。


 年末年始とアメリカのギフト送り合戦が終息する今頃の季節、贈り物が入れられていた箱や包装紙をどうするかというのが自分にとっての課題になります。管理人は後期昭和人、と言っても運転中無意識に「きらいだよ」とか「浪漫飛行」を大声で熱唱する程度に留まるマイルドな昭和人ですが、祖父母世代の教育の名残なのか、食糧品とか、まだきれいで使えるものを捨てることに対しては強い抵抗感があるんですね。それで箱などはいつも名残を惜しみながら丁寧に平らにして仕分けし、リサイクルの日に出すことが最低限、ストレスに苦しまないためのプロセスとして大事になっています。そのようなわけで週末にまた箱をぱったん、ぱったんとつぶしていたのですが、その中に綺麗なオフホワイトの厚紙で出来た箱を見つけたので、こりゃいいとばかり、「即席写真スタジオ」を作成して、どうやら大人になったらしいうちのヤモリの写真を記念に残すことにしました。丁度人間達も成人式を迎えたことだし。(新成人の皆様、おめでとうございました。)


 ハッチしたてのポヨポヨ状態で拾ってから9か月が経ち、すっかり大きくなりました。といってもあたまからしっぽの先まで10センチたらずの小さなヤモリです。写真左は、等倍だとほぼ実寸大位の倍率になっています。右脚の中指が欠けているのも写っていますね。これはベビーだった頃に、拾われるキッカケでもあった、粘着テープの試練を乗り越えたという思い出の指飛びであります。

 今日は紙箱効果なのか、本物に近い色彩の写真がとれました。「すあま」の体色については以前、透き通ったピンク系の時と、褐色系になる時とあると書きましたが、たまに写真の様な白っぽい地に暗褐色のフレックル模様になることもあります。これは「すあま」が危険を感じてビビッている時の色彩なのです。こうなると隙を見ては管理人の視界から逃げ出そうとしはじめ、いざダッシュすれば自然界の端役感たっぷりの走りを見せてくれます。なんかクネクネ・ばたばたする割にそんなにスピードは出ないという。そうやって考えると、繁殖力も旺盛と聞くし「餌」としては結構優れた種なのかもしれません(爆)。


2015年1月11日日曜日

ボアコンの投薬開始

「いいブツが入ってますぜ、旦那」

 一年前、微妙に体調を崩して病院にかかった当宅のぺルビアンロングテールボア、通称「大きいロンギ」ですが、以降飼育環境の改善に努めてきたものの、その健康状態にはぼんやりとした不安感というか、「なんとなくパーフェクトではない感」が漂っていました。結果、今週受けたフォローアップの検診でやはり上気道の感染症が根治していない事がわかり、今後何かの拍子に悪化する可能性があること、また生体の活発さや肉づき等、状態自体はとてもよく治療に十分耐えられることを踏まえて、投薬に踏み切ることになりました。処方されたのはエキゾチックアニマルの間ではよく使われる二種類の抗生剤(写真上、これで一種類・3週間分。もう一種類は冷凍庫の中)で、筋肉注射になるので、なるべく刺激が少ない薬を処方してもらいました。

 困ったのは「あなた自分で出来るでしょ」と、全ての投薬注射を自宅でやることになった点です。針を入れる場所は頸部のちょっと後ろの方にするのですが、今までヘビの首がどの辺なのかなどとは考えたこともなく、「変な所に差しちゃったらどうするべ」という不安感と共に、今若干及び腰になっています。うちのヘビの場合、独立してから3番目のサドル周辺がその場所にあたるようで、ボアコンは柄があるから助かるものの、無地のヘビだったらたぶん慣れるまで全然分からなかったであろうと思われました。


 検診中の一コマ。もうすぐ脱皮期間に入るのでちょっと色味などがぼろかったのが残念ですが、今回も全く人手を煩わせることなくいわれた通りに計りに乗ったり、綿棒でチョンしただけで大人しく口を開けたりして、獣医師の先生に喜ばれていた。因みに前回、「これは爬虫類医療の現場において革新的アイテム」と絶賛された「日本の洗濯ネット」は今回も再び絶賛され、米国アマゾン経由で購入できるかどうかが、真剣な話題になっていた。補綴してくれているのはベテランのセルビア系の美人看護師、彼女を見るのが楽しみでこの病院に来ている熟達したいきものの扱いに、いつも自然と感謝の気持ちがわいてきます。大きいロンギよ、これから一ヶ月、一緒にがんばろう。

2015年1月7日水曜日

注意、フトアゴで人をぶってはいけない

このあいだ即売会の会場で出会ったフトアゴ達。「暴力反対ー!」

 おとといのパリでのイスラム過激派のテロについて、ご近所のイスラム教徒の人が「ちょーウザい」とぼやいていた。ニュースにのるような過激派の活動は、経典の「自分達に都合の良い勝手な解釈」の結果であって、2001年の同時多発テロ以降、既にかなり下落していた世間でのイスラム教徒への評価をさらに貶め、「平和の敵、狂った人々」のようなイメージ作りに貢献している、と言っていた。そしていつもとばっちりを食うのは彼女曰く、自身の様な「純正で争いを望まない」イスラム教徒であり、極端な一部の人の行動によって、また暫く世間で肩身の狭い思いをすることになるかもしれない、ともらしていた。これを聞いて「どこでも問題は一緒だな」と思ったのは、私達両・爬愛好家の間でも(テロリズムなんかと比べたら全くスケールの小さい話ではありますが)似たような事態をたまに目にするせいかもしれません。どれだけ沢山の善意ある飼育者達が、自然を愛し、自分の飼ってるいきものを大切に世話していたところで、反社会的な行動をとる人が1人でもいれば無意味になりえるという、あのパターンを。

 最近、フロリダの爬虫類ショップで経営者が激高してスタッフをフトアゴヒゲトカゲで殴ったという話が、バカニュースとしてけっこう大きく報道されていました。この経営者はトカゲを使って複数回殴打したほか、トカゲをその店員の口内に突っ込んだかどで逮捕されており、トカゲの安否は確認されていないそうです。「アホやな」と笑っていいのか、「なんてことをするのか」と怒っていいのかなんなのか分からないこの事件、舞台となった爬虫類ショップの名前を聞いて、なんか聞き覚えがあるなと思っていたら、2年前ゴキブリ食い競争をやって死者を出したお店でした。この店主はそのほかにも薬物所持で捕まった前歴などもあり、絵にかいたような無軌道者のようなんですが、こういう事件があると、爬虫類を飼ってる人のイメージがまた少し微妙になります。事実無根なうえにすごく偏ってると思うんですが、東海岸において「ふつう~の一般人」が思う爬虫類を飼ってる者の印象とは、「何か人とは変わったことをしたいティーンネイジャー」か、「野生の生き物から搾取する、低学歴、低所得、刺青だらけのあやしいプア・ホワイト」というもので(西海岸ではまた印象は異なるはず)、基本的に世間の風当りは強いと感じます。しかしこれは、一部のアブノーマルな人々を拡大解釈するメディアによるところも大きいと思うのです。けっきょく、報道の抱える根本的な問題というのは記事がお金を絶対に生み出さなければいけないというところにありで、書き手は読み手の注目を得られそうなキャッチーな事を書かなくてはいけなくなったり、お金を出してくれる会社などに考慮した文を書かなければいけなくなったりして、目立ったもん勝ち(悪目立ちも含む)な世の中づくりに貢献してしまっているよなと、考えていた今日です。

2015年1月3日土曜日

今年もよろしくお願いします、

(c)  yosemitenationalpark ※くっきり写らない時はリロードしてください

 お正月三が日でだらだらしている間に色々読むことができ、ブログにも爬虫類の密輸の話題でもメモしておこうかと思ったのですが、新年そうそうそんな話は憂鬱すぎると思ったので、やめました。そんな話より本当はもっと「癒し」とか、「ふあふあ」したことを書きたいのですが、どういうわけか脳内にそっち方面の話題はいつも欠乏してるので(「ふあふあ」しているのは腹回りだけ)、そこのところは無理をせずカリフォルニア・ヨセミテ国立公園のシエライモリ達に外注しようと思います。これがアウトソーシング事業だ。

 シエライモリ(Taricha sierrae、上のビデオ)は以前はカリフォルニアイモリの亜種だった種だそうで、確かにこうして見ると素人の自分には見分けがつきません。けっこう激しい毒を出すそうで、触る時手にわずかな傷があったりなんかするだけで肩まで腫れ上がるとか。しかし、飼っていて人に慣れると毒は出さなくなるんだそうです(毒は特有の匂いがあるので分かる)。それにしても、魚でも虫でもそうですが、清流の生物を見ると心が潤いますね。天然の山の水の中をすいすい、えっほえっほしているイモリ達も実に気持ちよさそうです。そんなのんびりした光景をよそに、両生類、というか地球の生物全般的に「六度目の大量絶滅期」に入ったと考えられてきている近年、これらの動物達の平和と繁栄は自分達にもかかってるんだということも、心のどこかに置いておきたいです。