2015年9月30日水曜日

禁忌きっず


 たまには細かいことは忘れて、ただただ「美しい」「きれいだ」と感じるものを眺めて過ごしたい・・・という心理になること、ないでしょうか。 人間の感じる「美しさ」とは不思議で、基本的には健全さ、健康さ、善、神聖さなどなどの感覚と共に語られるものの、規範や倫理や良識とは一切かけ離れたところにぽつねんと存在している場合もあるので厄介です。美的感覚がスタンダードからちょっとズレてる爬虫類愛好家の皆さんにならきっと、分かってもらえると思うのですが(微妙に失礼)。




 とりあえずこの数年間でジャグポンドロが急にふつくしくなっていてビックリしたという新鮮な驚きがあったことの備忘録として。2番目の写真は4年前にドイツ・ハムのエキスポへ行った時の写真なのですが、この頃モレリアのハイブリッドものといえばカーポンドロが主流だった中、ジャガーカーペットパイソンとかけたジャグポンドロ(ジャガポンドロ)が一頭だけいたのが印象に残っていました。顔は見えないけどおおよその雰囲気は伝わるでしょうか。繁殖者によるとブリードの方向性も、エキゾチックなカーペットの模様とツリーパイソンのトロピカルなグリーンを融合させることに重きをおくカーポンドロと並行して、ジャグポンドロの場合はとりあえず「一体どうなるんだろ?」という、好奇心から実験的なかんじでやっているという話でした。やはり最終的には「ミドリのジャガー」を目指していたのかもしれないですが、それが思いもしない方向に開花したのが一枚目の個体、デンマークの愛好家のコミュニティで話題になっていた写真です。今後どのような風に成長していくのかがとても気になりますね。




 因みにそのハムでの思い出の一枚がこちら。なんてことない通路から小会場を臨んだところの写真ですが、入り口にアプローチも出来ないほど人がうじゃうじゃして、HBMでもこんなにひどくはなるまいという熱気が伝わってきます。中に入ればドイツジャーマン世界の兄貴達に、ところどころ汗でアイラインのよれてしまったゴス男などの入り混じるモッシュピット状態で、3月だというのにモワモワした温室のような空気感だった。これはこれでけっこう楽しかった思い出です。


2015年9月2日水曜日

あめりかーぬすクン



 残暑がまだまだ厳しいものの、散歩やイヌの散歩などで(重複)毎日外に出ていると、日々刻々と日照時間が短くなっているのが感じられる頃となりました。そんなうちの周辺では、虫などもセミや大型の鳴くバッタの最盛期がほぼ終わりを迎え、トンボや小型バッタのシーズンに移り変わってきています。特にトンボは結構種類が豊富で日本のギンヤンマやオニヤンマ、シオカラトンボにそっくりなものがこちらにもいるので、外国にいながらどことなく日本の里山の晩夏といった風情を感じることが出来ています。

 昨夜もそんなかんじで暑く湿気た晩だったんですが、夜帰宅して表の照明を付けてみるとアメリカヒキガエルの亜成体がいました。このカエル、たまにまわりでフンを見かけていたのでうちの玄関に住んでいるらしいというのは知っていましたが、実際に見るのは初めてだったのでちょっと嬉しかった。アメリカヒキガエルについては今までにも何度か書いていますが(話題1)(話題2)(話題3)北米・北東海岸の広い地域に住む、なんかムクムクした感じの手のひらサイズのかわいいカエルです。ネットでみると体色にけっこうばらつきがあるようなんですが、うちのまわりで言えば、活発な時期は写真のような明るいオレンジ色になるものが多いです。近隣の地質が明るい色をした粘土質なのが関係あるような気がしています。


 カエルは電気つけてから数秒以内に写真を撮らないと人相(?)がずいぶん変わってしまうので、難しいですね。

新作「ムチムチ!ふくらガエル」で熱演中のあめりかーぬすクン(5ヶ月)。


 こんな調子で「ちょっと右の方向いてみようか」「いいね~!その顔いいよ!」とひとしきり写真をパチパチしまくってから、しかしこのカエルは5月の誕生から苛烈な生存競争をかいくぐってここまで大きくなったいわばスーパー勝ち組個体、人間で言うならば、20代で「西麻布にマンションもってます。あっでも私は住んでないの。投資用なので」とか言っちゃってる女みたいな存在だったと気付き、なぜか一気にヤル気が失せたので(笑)撮影会は終了と相成りました。やっぱりグラビアの被写体はどことなく薄幸感、物質または精神面での貧困の香りがしなくてはダメですねえ。って、一体何の話なのか。