2016年11月30日水曜日

10月のハコガメ

 


 枯れ葉舞う季節となりました。ご無沙汰しております!三日前に購入したインフラ球が勝手に消灯を繰り返し、キレそうになっている管理人です。日本から戻ってからというもの、日々のよしなしごとに追われておりこちらを更新することができずにおりましたが、ボアコン3匹、スナボア1匹、トルコナキヤモリ2匹、皆元気にしております(ヤモリの「すあま」だけ給餌強化月間中)。例の恐竜もハッチしてからようやく1年目を迎え、巣の外に自力で這い出して落ちている枝や葉などを使い、疑似的な狩りとおぼしき行動を見せるまでに成長してきました。巣立ちの日ももう、すぐでしょう(希望)。

 写真は、すこし前のものになりますが3月のライオンならぬ「10月のトウブハコガメ」です。10月と申しましても目撃されたのは30日だったので、ほぼ11月といえます。写真の背景にあるマンションに住む管理人の友人が「外の階段に見た事のないカメがいる」と連絡をくれた時のものです。例年なら雪のちらつく日も出てくる時期なのでハコガメが歩いているとはにわかには信じがたく、また出没場所も見て分かるとおり住宅街と車道にほど近い場所だったので、非常に驚きました。二年連続でカメ助け(進行方向に向かって一番近い緑地にリリース)という徳を積むチャンスが訪れたことに感謝ですね。

 このカメが面白かったのは、甲羅の中に隠れていたのに、リーフブロワー(落ち葉を飛ばして道を綺麗に保つ、大型のドライヤーの様なマシン)の音が近づいてきた瞬間階段から飛び降り(!)、ダッシュで逃げ始めた事です。一度甲羅に引っ込むと長時間出てこないカメが多い中、こうしてサッと状況判断している所をみると、見かけによらず案外年をとった個体なのかも知れないですね。感心した出来事でした。


2016年6月2日木曜日

帰米しました。

水面に突き出したコンクリ片の上で休むヒガシニシキガメ C. p. picta (クリックで拡大)


 あっという間だった日本滞在を終え、無事帰米しています。不在にしていた間にアメリカヒキガエルの繁殖期は終わり、アイリスの開花も終わり、季節は一気に初夏へと変わっていました。去年のだいたいこのあたりの時期にはトウブハコガメに遭遇できていたので(カメ1カメ2)それを期待しつつ毎日、朝夕近隣を歩いていますが、今年は運がないようで1匹も発見できていません。トウブハコガメは派手なカメに見えますが、自然の中にいると木漏れ日の中に埋もれて、じっと目を凝らさないと見つけられないから本当に不思議です。それにあっ!と思って近寄って見ても、カメに似た形の土くれだったり、風化した切り株だったりすることも多いのです。

 その点、行くところへ行けば100%遭遇できる水ガメの存在には助けられます。ナンも見つけられなかった日はとりあえず湖をまわって水ガメを見て、満足して帰ります。上の写真は数日前、前から気になっていた荒れた農地の水路に足を伸ばした際に撮ったもの。やはり思った通りの時間に、思った通りの場所に居てくれるカメ達。この水路は昔ここ一帯を所有していたお金持ちの農家が掘ったもののようですが、土地の持ち主が死んでからは誰も手入れをする人がおらず、少しづつ荒れて行っているようです。諸行無常ですね。


使われなくなった水路はカメ達の楽園に


 諸行無常といやあ、日本では母方の故郷である山口県まで足を伸ばす機会がありましたが、所謂「過疎化するにっぽんの地方」の例に漏れず、山の少し奥の方へ入れば荒れ放題の休耕田や、参拝客の来なくなった寺などに遭遇することがしばしばありました。薄暗い竹林の中の沢で、倒壊したまま修復されることなく折り重なった墓石の下からタゴガエルの静かな独唱が聞こえてきたりして、こうして人が消えた野山を次々と楽園に変えていく両爬の姿が思い浮かべられ、侘しい様な、そこはかとなく愉快なような、不思議な気分となった事を覚えています。

 「つづき」以降に、今回の帰省で撮った日本の(たぶん一部の方にしか面白くない)写真を少々アップしたいと思います。


2016年5月5日木曜日

おおしろぴんの



 久々日本に一時帰国。狭いながらも落ち着ける老親の小さな賃貸アパートの一室でまだ日本酒の香りの残るハマグリの吸い物の蓋をとった時、小さなカニの姿をみつけて、故郷に帰ってきた事を実感しました。


2016年3月11日金曜日

ガーターヘビ



 写真上は今朝の午前10時、気温17℃の散歩道で見つけたイースタンガーターヘビ。アスファルトの上にぴちーっと張り付いてバスキングしていたところへ自分達がやってきたので、ハッ!としてシュッと縮まり舌チョロしている所(←ニュアンスすぎ)。このあと威嚇体勢をとって積極的に噛もうとしてきました。

 このへんではおおまかにわけると2パターンの外見をしたガーターヘビがいるように思います。ひとつは上の写真みたいな、クラシックなコモンガーターのパターンをしたもの。ちょっと青みがかったヘビが多い気がします。上のヘビもケータイカメラにはきちんと写りませんでしたが、腹へかけての鱗とその間の皮膚がうっすらと空色をしておりけっこう綺麗な個体でした。冬眠明けなのになかなか肉付きの良い美人です。コモンガーターは月末位から繁殖期に入りますが、今年は暖かい(というかもう暑いくらい)ので、ちょっと早めに出てきてお色直ししている感じでしょうか。これからウッドフロッグ(アメリカのアカガエル)やサザンレオパードフロッグ(ヒョウガエル)の繁殖が最盛期を迎えてオタマジャクシが沸きにわいてくるので、彼女もその子供達も将来安泰ですね。




 ほで、こちらがもう一方、茶褐色のタテ線タイプ。こちらはコモンタイプの写真を撮った場所から数キロの湖のはたの遊歩道で見つけました。本当に同じ種類?と思うくらい異なって見えます。

 これの写真を撮っている時車で通りかかったおっちゃんがいきなり窓から顔を出し「おお!リボンヘビだろ!子供の頃よ~飼ったわ。」と言って走り去っていった(笑)。しかしおっちゃんの勘違いも頷けるというか、ほんとに一見リボンヘビに見えるカラーリングです。それに生活スタイルも餌も殆どまるかぶりなので、ずっと勘違いしたままでも普通に飼えてしまうという。そんな彼らなので以前はガーターヘビとリボンヘビのハーフっていう可能性はあるのか?などと思っていたこともあります。突飛な考えにしても、生存競争上もっとも効率の良いパターンのひとつだというのは間違いなさそうです。そういえば先月末付けで、彼らイースタンガーターヘビは我がバージニア州の「州蛇」に任命されたそうな。本来なら歴史的にも意味を持つガラガラヘビが選ばれそうなところを、州知事に自ら出向いてロビー活動をしていた「ガーターロビイスト」は12歳の少年だったそうです。この国の政治は子供と貧乏人と、ビリオネアによって動かされる傾向があるようです。

2016年3月8日火曜日

俺たちの好きなホライモリ

image sourse :Postojnska JamaOlm Dialy 
image sourse :Postojnska JamaOlm Dialy  


 ホライモリ、通称オルムが飼育下で産卵したというニュースを目にしました。有精卵はごく少数しかないようですが、卵の経過はスロベニア・ポストイナ鍾乳洞公園のサイト上にあるオルム日記(英語)にて見ることが出来るようです(写真はその日記から拝借したもの)。とても神秘的です。これがスロベニアのドラゴンの卵か。

 話変わってこちら北バージニアでは、今日が今年最初の「春らしい日」でした。ノスリのカップルがそこかしこで見られ、両生類も先週頃からウッドフロッグのメイティングコールと繁殖行動が始まっていて、もう卵塊も確認できました。今週どこかで時間が出来ればジェファソンサラマンダーとスポッテッドサラマンダーの産卵地を探索しに行けるかも?と思っています。フィールドへ出たりいきもの・両爬観察はほぼ毎日のように行っていますが、例の恐竜の飼育もまだ続いているので、少なくとも今年いっぱいはアップデートがとびとびになりそうです。とりあえず、今年もよろしくお願いします!