2015年1月20日火曜日
誤解もたまにはいいもんだ
世の中、迷信を持たれている生き物は数多くおり、その度合いも「毒がある(実は無毒)」ようなささいなものから「天候を操る」とか「殺すと呪われる」ような大がかりなものまで、様々だと思います。しかしこと爬虫類・両生類に関するものとなるとネガティブなものも多く、未だにそれがもとで命を絶たれてしまう生き物が沢山いることを思うと、とても残念です。実際、管理人も以前北東部の田舎に居た頃は、沢に出ると釣り人に踏み殺されたミスべヘビの子供をよく見かけました。地元民の間では、彼らは別種の毒蛇と混同され、毒があると思われていたためです(毒があったからって殺していい理由にはなりませんが)。そしてぺちゃんこになった仔ヘビに出会うたびに、野蛮な連中だぜ・・・ガッデームと毒づいていたんですが、そんな自分だって自宅で巨大森ゴキブリと対峙した日には、自らの左脳が「説明しよう!このゴキブリは日本の黒ゴキブリに200%酷似しているが本来森林にしか棲まない自然界の使者であり、大切な生態系の一員なのだ。ちなみにゴキブリは良質なタンパク質と各種脂肪酸に富んだ未来の食材でもあるのだ・・・・・・」と説くかたわら、勢いよく「メーン(右脳)」と丸めた新聞紙を振り下ろしているので、野蛮さという面においてはさほど変わりはありません。
こんな迷信ですが場合によってはプラスに作用するケースもあるんだと、先日親戚のロシア人達の話を聞いていて思いました。曰くある夏、彼らが保養地のあるカスピ海沿岸部の街で宿をとったところ、部屋に大きなバルカンヘビガタトカゲ(ヨーロッパアシナシトカゲ)がニョロニョロと侵入して来たそうです。都会から来た彼らからしたらまったく馴染みのない生き物だし、何しろ美川憲一みたいな目をしていて気味が悪かったので叩いて追い出そうとしたところ、宿屋の主人やスタッフが「その生き物は宿を害獣から守ってくれるので、苛めないでくれ」と言いに来たと言います。しかし、この生物に馴染みのある方は気付いたかもしれませんが、このトカゲ、実は極めて非力で害獣と激しくファイトして、勝利する力などないんですね。やばいのは見た目だけで、実際の所は動けない鳥の雛や卵、小さな哺乳類の赤子や、弱そうな虫を追いかけまわして食べる位が関の山だろうと思われます。しかしその田舎町では「アシナシ=とても役に立つ生き物」というポジティブな迷信が浸透しているおかげで、彼らの生活と平穏は守られていたのです。
迷信とは結局、我々人間の中のどこかの不条理で原始的なところからやってくるアイデアの数々であり、単に話の題材としては非常に面白いものがあります。しかし、勝手な思い込みで、良く知りもしない生き物を殺すことはやめたいですね。今日、こんなとりとめのない話をそもそも思い出したきっかけは、アホロテトカゲが地元民に大変恐れられているという話を小耳にはさんだことによります。なんでもこれらのトカゲは現地では人間が大草原で我慢がしきれず「大」をするハメになった時、後ろからこっそりやってきて尻の穴から人体に侵入し、内臓を食い破ってバラバラにし、襲われた人間はゆっくりとしかし確実に恥ずかしすぎる死を迎えると信じられているのだそうです。腹を抱えて笑ってしまいましたが、こんなふうに畏怖の対象になることで、彼らの静かな生活が守られるのだから、概ねいいことのように思います。
2014年11月20日木曜日
「女の子のための飼い方ブック」
「猫と一緒に暮らす女の子のための飼い方ブック」という新しい本がアマゾンで売られていた。オビを見ると「一人暮らしでも 旅行に行っても 仕事をしていても 結婚・出産しても 大丈夫! あなたの毎日をHappyにしてくれる猫を飼おう!」と書いてある。そこで世の不公平に敏感な管理人は、爬虫類バージョンのカバーを作成した(↗)。被写体は、自分の身近にいるなかで最もコネコに似ている爬虫類だと思った、動物園のカパーヘッドをチョイス。さあ、表紙はできたので、あとはどなたか内容のほうをお願いします(笑)。また、女性向けだけだとフェアじゃないので、「爬虫類と一緒に暮らす女の子の飼い方ブック」という、男性向けの続編もできればよろしくお願いします。
冗談はさておき、生き物を飼うという事を「女性のための」という目線で見るのは、もしかしたらけっこう画期的なのかもしれない。「仕事」に「旅行」に「結婚・出産」にと、並べれば確かにかなり忙しそうだし、そんな忙しい時間割の中にメンテナンスの時間を捻じ込んでいき、さらに能率的に癒されようと思ったら、こうした指南書も時には必要なのかもしれない。ただ個人的に、そんなに忙しいならば哺乳類は諦めて、なんかの幼虫でも育てたらどうだろうかと思う。例えばモンシロチョウとかアゲハのアオムシはネコや爬虫類と違って子供をひっかいたり、かみついたりする可能性もないし、場所も取らないし、医療費も、光熱費も、水道代も食費もかからない(食草をむしってくるだけ)。そのうえ、最後チョウチョになって飛び立つ時にはどえらい感動がある。家で沢山飼えば、葉っぱをかじるサワサワという音に癒される。冬は一切世話をしなくていいから、それまで一年間後回しになってきた自分の事をできる。昆虫は、一部を除いてアレルゲンも殆どなく、人畜感染症の危険もないので、乳幼児がいても安心だ。それに、多分工夫次第で「オシャレに飼う」ことも出来る。そしてそして、最終的に自宅のまわりに昆虫の数が増えることは、多分周辺環境にとってもいいし、エコだ。そんな事から管理人はつねづね、時代は哺乳類よりも、爬虫類よりも、むしろアオムシを求めている!と感じているのだが、これは多分、「猫と一緒に暮らす女の子」の方々からも、「爬虫類と一緒に暮らす女の子」の方々からも、相手にされない発想だという事は分かっている。
2014年9月3日水曜日
北欧雑貨だと言い張る
Anisota senatoria
無垢材を背景にすればなんでも北欧雑貨に見えてくる世の中。これは、ほしい。イモメッコのソックスクリップ。アウトドアで魅せよう、「余分をたのしむ」靴下のアクセント。#ていねいなくらし
今書いていてブルッときたのでやめますが、ここのところ効率よく「夏」を謳歌するにはどうすべきかを懸案した末、比較的短い拘束時間でも満喫できる気がした「炭火焼グリル」を裏庭に設置しました。しかし、通り道にしている両生類のために殺虫剤等を極力使用しない方針でやってきた庭なので、いつのまにやら虫天国状態。ちょっとアー写気味に撮ってみた(当社比)写真のオークワームも知らぬ間に靴下の上にジーッと佇んでいたので危うく踏む所だった。管理人は過去にも丸々太った終齢の野蚕系イモムシを素足で踏むという大参事に見舞われた事があるため、この手のうっかりミスだけはどうしても回避したいところであります。
そして現在の裏庭の様子。グリルの箱には700F度(370℃)までのメモリが付いているけど、家庭の調理でそんなに温度が必要なものはあまり思い浮かばない(ピザも食べないし・・・)。しかし、火で遊んだり、何かを焼いてみたりするのが本能的に好きな自分のような者にとっては、「本気出せばちょっと高温になるアイテム」というだけで、若干胸が高鳴るものがあることも確かである。
ところで、炭火焼器の後ろに写っているのが以前大雨で流されたオタマジャクシを助けるのに役立った例のミニ緑地です。暑さと忙しさにかまけてここの改造計画は頓挫してしまい、かわりにコンポスト兼、採集してきた地元産シダ類を植えるスペースと化してしまったのでした。残念な一方、餌も水場もシェルターもあるせいか定期的に住み着くカエルが現れるようになったので、今のところはそれを見て喜んでいる。
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