2012年7月31日火曜日

 サルの群れのなかで個体のもついわゆる「優しさ」の度合いには遺伝子が関係しているらしいです。動物の行動において「優しさ」と表現されているものは多分、他個体への寛容性とか、親和性のことを指すんだと思いますが、ニホンザルの研究では攻撃性を抑え沈静化するホルモンを受け取る受容体の遺伝子の違いによって、その個体がいわゆる「優しいサル」かどうかが変わることが分かっています。島などの限定された環境にいるサルのグループにこの「優しい」サルが多くみられるとの事から、生き物の持つ「優しさ」は遺伝子に乗って伝わっていくのではないかと最近では考えられているようです。家畜の始まりやロシアでの狐の飼い慣らし実験などに見られる不思議な現象の因子のひとつが突き止められたということになります。



 うちの小さい方のロンギコウダはどんな受容体がどんなホルモンを受け取ってるのか知りませんが、最近だんだん気が荒くなってきました。目つきがすごい嫌な感じです。近寄ると肺のあるあたりがフーフーハーハーします。この個体はメスなので多少は大きくなるだろうし、このまま凶暴になったら世話が面倒になりそうだなーと憂いています。ただの思春期(?)であってほしい飼い主心・・・唯一の救いは顔が整形後の釈由美子的に整っていて、どうも美人になりそうな感じだということだけ。ヘビにもなんとなく顔の美醜ってある気がします。

2012年7月30日月曜日

 ぺンシルバニア州つながりで2ヶ月ほど前のローカルニュースを思い出しました。これはこの州のふつうの民家の庭先で住人が野生のトウブハコガメを見つけたというだけのものなんですが、この腹甲に年号と名前が彫ってあったため、1965年にその家に住んでいた当時13歳の住人の息子がリリースしたものだと分かったそうです。この亀は最初に捕獲された時点で既に成体だったようなので、最低でも47歳以上ということになります。トウブハコガメはゆうに100年以上生きるというので、これでもまだまだ壮年といった所ですね。

2012年7月29日日曜日

 ペンシルバニア州のエキスポへ行こうと出かけていきましたがまさかの日時覚え間違いにより無人のエキスポセンターにたどりつくこととなりました。このままでは往復500キロの時間と手間と燃料が無駄になってしまう!ということで気を取り直し、フィラデルフィア市内にあるMütter Museum - ミュッター・ミュージアム / ムター・ミュージアムという、こじんまりとした18世紀医療の博物館へ。この博物館はとある大学教授のコレクションを基にした、医療器具のみならず実際に人間(主に病人・いろんな胎児・屍蝋化した遺体など)の様々な標本を収蔵していることで知られているようで、真摯に近代医療の歴史を紐解きたい多くの人々が訪れる人気スポットとなっています。自分は標本の方は大丈夫ですが医療器具のコーナーでチビリました。爬虫類飼育者なら「プローブ」と聞くと何をする道具かすぐ分かると思いますが、「バレットプローブ」という道具が「銃創の深度を計る道具」として置いてあり、ようは先をまるめただけの針金なんですけど(笑)これを鉄砲の弾が当たったところにニュルニュル入れたり出したりして組織の損壊度を調べるというものです。因みにこの時代に麻酔は発達していなかったので患者は医師から一杯のブランデーを渡されるだけだったそうです。粉砕骨折したら切開してその砕けた骨どうしの中にちょっと木片を入れてみたり。やめろぉぉぉ。初期のトレパネーションやロボトミー手術器具(という名の、ただの金属棒)など、そのあまりにも粗野な造形に医療技術の進歩を心底賛美しながら博物館を出、中華街でアヒルを食べて帰路に着きました。

2012年7月18日水曜日

 ランニングの帰り道、女性二人組が道端で悲鳴をあげているのが見えたので行ってみると、歩道と車道のふちに怒り狂ってるヘビを発見!近くに落ちていた棒で頭を押さえ、無事捕獲。ブラックラットスネークの亜成体でした。近くの緑地帯まで連れて行ってリリース、ちょっといい事をした気分。

2012年7月17日火曜日

 暑いです。管理人の携帯電話は飼育の参考にするためペルーの気温も表示するようになっていますが、トゥンベスなどは今冬季なのもありますが年間を通して一日の平均気温が30度を越えることは稀で、いわゆる南米といって想像される状態よりもかなり涼しい場所だということが分かります。かたや現在の北米北東部ですが40度を越える日々がちらほらしており、気温の上りすぎに頭を悩ませています。ボアコンチームは温度変化に寛容ですが、問題は夜間の冷房の塩梅で、これをきかせすぎるとサンドボアの餌食いが落ちることが分かったため、今夏は人間と蛇達の共存問題が課題です。暑いといえば、日本は新潟県でアカウミガメの産卵が確認されたというニュースを小耳にはさみました。今までの産卵の北限は石川県とのことなので、一気に300キロ近く北上したことになります。日本の近海で死滅回遊魚の見られる時期や種類もどんどん早まっているそうだし、周辺の環境に変化が起きているのは確実なように思います。

2012年7月4日水曜日

 アメリカにペンテコステという、宗教というよりはほぼカルト、というキリスト教の団体があります。ここの人たちはものすごいエキセントリックなパフォーマンスと共に説教をすることで有名です(その様子がどんなものか知りたい方はBORAT ボラットという映画を見てみてください)。先月、そのペンテコステ系の牧師がシンリンガラガラヘビにかまれて死亡というニュースがあったのですが、さすが変態カルトと驚いたのはこの牧師さん、自分が神に守られていることを示すため説法中にガラガラヘビをハンドリングしまくるという無茶苦茶を恒常的に行っていたらしい。ガラガラヘビが持っちゃうと意外と噛んでこない蛇だから出来たであろうこのパフォーマンスは、驚くべきことに、アメリカ東部の一部地域では昔盛んに行われていたものです。若者の宗教離れが進むにつれてこの説教法は廃れてきているそうですが、消え行く伝統に対してここまで「どうぞ、どうぞ」と思えたのも最近珍しかったのでここに書き残します。でも見方を変えるとこんなに蛇と共に生き、手の上の小さな爬虫類に命を託しちゃう人もそう居ないのではないか。そういう意味ではちょっとかっこいい……わけないか、やっぱりただの変な人。