2015年5月14日木曜日

案外近くに居たらしい。


 もう、夏ですね。この間までさむいさむいと言っていた北バージニアですが、もう日中最高気温が30℃に迫ろうとしています。それだけでなく湿度もかなり上がってきていて、むし暑いのが駄目な管理人は日照の少ない時間帯を選んで姑息にうろちょろしていたところ、この間の健康診断で「ビタミンD不足」と言われてしまいました。仕方なく人間用のサプリメントを購入しようか検討していますが、あれって結構お高いですよね。そんな時目の前にネクトンやらレプティバイトやらのビンがコロコロしていたりすると、変な考えがよぎります。

 そんな訳で最近は日中でも積極的に表へ出るようにして居たところ、今日の昼頃、野生のカロリナ(トウブ)ハコガメに遭遇しました。我が州でもかなり生息数が減ってきているとされるこのカメ、自分も当地に3年ほど住んでいて、生で見るのは初めてだったのでかなり興奮してしまいました。こういう生き物は大抵探してもなかなか見つからないものなので、特に嬉しかったです。見つかったのが自宅の裏庭に等しいような住宅地から至近距離の道だったのでびっくりしましたが、灯台下暗しというか、案外ずっと傍でひっそりと暮らしていたようです。大きく丸々としたなかなか立派なメスでしたが、甲羅の一部にいっぺん、バキッと割れたような跡があったのが気になりました。

 このカメが居たのは近隣の比較的大きな道路の脇で、交通量も一定数あるようなところです。ひとまず保護してから、カメの向かっていた方角の緑地帯にリリースしましたが、移動させている最中思い出したのは3年ほど前に読んだ話でした。NASAのエンジニアが趣味で行った実験によると、被検地となったアメリカの交通量の少ないハイウェイで、全体のおよそ6%のドライバーが路上の爬虫類をわざと轢いていくことが分かったというものです。それに対し生き物を助けようと車を降りた人の率はヘビで1.7%、カメで4%にとどまりました。カメの場合、別の見方をすれば96%の人はカメを(故意に轢いたりはしないものの、)路上に放置したまま立ち去っているとも言えます。


 カロリナハコガメの場合、近年の野生個体数減少の大きな原因というのが生息地の消滅と、自動車や農耕機との接触事故とすでに分かっています。毎年多くのカメが交通事故で命を落としたり、たまたまラッキーで助かったとしても、障害を負って痩せた状態で見つかり保護されるものもいます。そういうことで最近ではハコガメに限らず道路を横断しようとしている爬虫類が居た場合、道路外へ(生体の頭の向いていた方向へ)移動させて放すことが推奨されるようになりました。生息地がいつの間にか開発されてしまった彼らにとってはとても難しい時代になったかもしれませんが、なんとか生き延びて、今年もがんばって命を繋げていってほしいものです。