2013年12月19日木曜日


 普段日本で何気なく喋っている爬虫類の標準和名・標準名は風情があったり面白いものも多いですが、反面いかにも外国語のように聞こえても実は和製語というケースや、間違えた発音を元にして作られたと思われるようなものも時おり混じっていて、結局やはり学名を覚えているしかないという事が結構あることに気が付きました。例えば、ワニの仲間の「ガビアル」は、この単語の持つなんとなくエキゾチックな響きから外国語をそのまま取り込んだカタカナ語なのかなと思いそうな所、実は外国語圏では「ガリアル」と言うのが一般的だと、最近知りました。調べた所オリジナルはガリアルだったのが、最初に間違って紹介されて、それが学名に定着したらしい。さらに米語圏ではこの「ガリアル」はどちらかというと「ギャリオー」に近い発音となり、日本産CBの管理人としてはいちいち顎に力を入れてガンバらないと発音出来ないんですね(それは自分だけか)。この学名の誤りが通称名としてそのまま使われている例に、ポピュラーなペット小動物である「モルモット」なども挙げられます。米語ではギニーピッグと言わないと通じないこの生き物、因みに「ギニアの豚」という英名すらも正しくなく(モルモットはギニアに生息しない)、それもどうなんだと思わされます。

 話を爬虫類にもどすと、もうひとつ気になっている例として「ボア・コンストリクター・インペラトール」があります。誰でも知ってて使っているこの「インペ」は学名を踏襲しているタイプの標準名だけれど、管理人のラテン語つまみ食いの知識を振りかざすと正しくは「インペラートル」ではないのかなと思っているんですね。さらに面倒なのは英語圏ではこの「インペラートル」を英語の発音に直した「インペレーター」が主流になります。またこの日本語の標準名の場合、亜種小名はラテン語読みであるのに、種小名の方は「コンストリクター」と英語読みで全体が統一されてない点も少しムズムズくるものがあります。しかしながら、自分にとっては昔から図鑑や発行物にで馴染みのある「ボア・コンストリクター・インペラトール」で刷り込まれている名前なので、イザ会話時に正そうとしても、難しいものがあります。言っても通じないから必然的に直すハメになるのですが・・・・・・。ハメと言えば、以前遊びに行った旧ソ連圏にあるテラリウムセンターの人々も、「カメレオン」を、どんなにがんばっても「ハメレオン」と混ぜて言ってしまう癖が直らないと嘆いていました(ロシア語ではハメリェオンと言うため)。これらは個別にみると大したことのない問題のように思えますが、生き物の名前を正しく伝えられないという事は会話していて疲れる原因になるので、なるべく正確に覚えておきたいもののひとつです。

 写真は管理人の家の矢筈砂ボア、またはジャベリンスナボア、またはJavelin sand boa、現地語ではザパードヌィ・ウダフチク、究極的にはEryx jaculusとおぼしきヘビの「プンたろう」。英語圏ではただRussian sand boaとよばれる事の多いこの種類は、スナボア属(Eryx)の知られざる基亜種。や、ややこしい。


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