2014年10月8日水曜日

金のサラマンダー

Eurycea bislineata

 突き詰めようとすると、ちょこっと手軽に楽しめるガサガサ活動から、いつの間にかただのトレッキングになっていくのがイモリ・ウォッチの落とし穴かもしれないと気付いた。それでも近場を適当にフラフラするだけで済んでいる自分などはまだまだ甘ちゃんで、ハードコアなウォッチャーになってくると、テントとザイルを持ってアパラチアの山々へ籠もりに行くという。日本に住んでた時も思っていたけど、有尾好きにはおっさんがやたらと多いのもこのあたりに端を発している気がする。その傾向はアメリカでも同じで、こちらの有尾好きの人々と話す時、休日にお弁当もって何時間も沢のまわりをウロウロし、そこに湧く小っちゃいイモリを見てきゃあきゃあ騒ぎたいおっさんという特別な種族に高確率で出会う。愛すべき人達である。

 しかし、鬱蒼とした森林を黙々と歩いているうちに、ときどき「ご褒美」的にサラマンダーとの出会いがあると、鮮烈でどこか原始的な喜びがあることは疑いようもない事実である。上の写真は昨日行ってきた、綺麗な沢で見つけたフタスジサラマンダーの成熟したメス。フタスジサラマンダーとは先週も出会っているけれど、その時撮った「平均的なフタスジ」写真と比べると、この個体がいかにとび抜けた美人なのかが分かる。ほぼ無班でラインも控えめで、全くいやらしさのない繊細なシャンパンゴールドが眩しく、はっきり言って森の宝石と言っても差支えないかと!・・・というのは管理人の勝手な意見ですが、個人的に好みど真ん中すぎて、嬉しさのあまり踊り食いしたくなってくるほどだった(注:しません)。

 この個体は、お腹に卵がいっぱい入っていた。今年もがんばって、きれいな仔を沢山残してくれればいいな、と思う。


 これも同じ沢で見つけた、ちょっと変わり種。日暮れが迫る中、木片をどけたら居た、4センチくらいの小さなサラマンダー。薄暗がりの中だったので何だかよく分からなかったが、なんとなく気になったのでフラッシュをつけていくつか写真を撮って帰ってきた。後で知人に聞いたところ、恐らくノーザンダスキーサラマンダー(Desmognathus fuscus fuscus)だと思うが、もしかしたらアレゲニーマウンテン・ダスキーサラマンダー(Desmognathus ochrophaeus)の可能性があると言い、もし後者ならかなり珍しいという。サラマンダーだとこういう場合、「珍しいんだぜ、うっひょ~」という派手なリアクションにはあまりならず、「小っちゃくて茶色いけど、珍しいんだねェ・・・」と、お年寄りが孫に「偉いねェ・・・」というあの感じに似た受け答えをしてしまいがちなのも、パターンとしてあるかもしれない。