2014年10月6日月曜日

守るべき隣人

 突如、自分はボールパイソンも飼ってないし、コーンスネークも飼ってないし、繁殖もやってないし、このままイモリ~イモリ~みたいな記事ばかり書き続けていたら、そのうちブログを訪れる人が誰も居なくなるのではないかという危機感にとらわれた。というわけで、このあたりでカメの事でも書こうと思う。ちょっと画像けれど、粗いが下の写真を見てほしい。


 これは先月24日の、南バングラディシュのひなびた漁村での光景だそうである。カメはここの溜池で飼われていたバタグ―ルガメ(ヨツユビカワガメ/ノーザンリバーテラピン、Batagur baska)のメス。右で泣いてるおばあさんは、もう明らかかもしれないけれど、16年間池の大ガメを世話してきた「飼い主」である。

 バタグ―ルガメは主に南アジアの河に棲む大型のカワガメで、生息地の破壊と、現地では卵や肉が食用とされる事で急激に数が減り、サイテスI類、IUCNレッドリストでは「絶滅寸前」のカテゴリに入れられているとても貴重なカメだ。写真のカメは、北米テキサス州に拠点を置き科学者とボランティアによって草の根的に運営されている「タートル・サバイバル・アライアンス(TSA)」のアジアチームによって先月、この漁村でひっそりと飼われていたことが発見されたのである。TSAはこうした場合、持ち主にお金を支払って、購入した個体を国内の保護施設へ移送する。施設には、こうして個人宅や食肉市場から時間をかけて、手作業で一匹一匹集められた十数匹のテラピンたちが育成されており、既に繁殖実績も上がっているという。

 アジア全域に見られるカメ食は、われわれ日本人の捕鯨文化と少し似ていて深く長い歴史があり、完全に途絶えるまでには時間を要するだろうし、その間、今すでに減少傾向の多くの亀種は絶滅に追い込まれていくだろうと思われる。ただ、こうして好んで消費することと同時に、カメが大好きで大好きでたまらないのもまた我々アジア人であると思う。それは中国人の異様ともいえるカメへの情熱を見ていても思うし、そもそも人間は、ちょっとでも気味が悪い、汚らわしいと思っているものは捕まえて食べようなどとも思わないはずだ。水と田んぼを愛し、自然のおこぼれをもらいながら生きてきたという意識のあるアジア人にとってカメは本当に親しみを感じる存在であるし、これから徐々にでも「愛すべき生き物、ときどき食べ物」から「守るべき隣人」への意識の転換が起こってくればいいなと思う。