2014年10月27日月曜日

永遠なれ、農家の心


 近所の道を通るたびに街路樹の色が紅葉でどんどん変わっていく季節になった。イベントシーズン到来である。爬虫類のイベントはこれから冬にかけて小休止というところだけれど、空いたスペースに管理人の内緒の趣味(別に内緒にする必要は全くないのだが)でもある産業動物、不動産、銃火器等のショーが入るので、出かける頻度にはあまり変化がない。先週末は、多分今年最後になるだろう爬虫類の即売会と、古本市にて欲しかったイモリ・サラマンダー関係の本を掘り起こし、その後犬と馬の競技会を少し見てきた。

 南に150キロほど下った地方の中規模都市で行われた爬虫類の即売会はここ3年ほどで目に見えて規模が小さくなった。売られている動物も八割がたがコーンスネークか、ボールパイソンか、フトアゴヒゲトカゲに変わった。多分それしか売れないのだろう。記憶のある限り遡れば以前は面白いアジアのヘビ等を売っていたブリーダーも、このごろは明らかにブリーディングストックと思われる個体達を売りに出しており、当歳のヘビ達は皆コーンスネークだった。ヨーロッパと違い、アメリカの爬虫類の即売会は生き物が売れなくなると比較的賑わいを見せていたイベントでもさっぱりと中止になったりするので、苦肉の策なのかもしれない。日本でも主要都市への人口流入と地方の過疎化という傾向が止まらずに問題化しているが、こちらアメリカでも、いわゆる一般庶民の「体感景気」のイマイチさが長く続いているので、雇用を求めた若者がなんとなく都市部の方へ移動してしまい、こんなふうに地方のホビー文化的活性は低くなっている場面を目にする。


 「いいコーンとれたよ、持ってきな」風に大小色とりどりのコーンスネークを見せてくれたおじさん。写真からこのおじさんだけを抜き出して、背景を青々とした畑に変え、手に持っているものをナスとか、トマトとか、チーズやハムに変えても成り立ちそうなところがちょっと面白い。こういう場面で、爬虫類に限らずペットのブリーディングとはどこかしら農業に通じる、「農民の趣味」なのだと感じる。毎日コツコツと田畑を耕し、牛に干し草をやる事と、ヘビのペーパータオルを換えることは、概念的には似ている。そのこつこつとした日々の帰結として毎年訪れる収穫の喜びが、現代人の中の眠れる農民魂を刺激するのだ。