2014年10月31日金曜日

歳をとった生体の世話について、気付いたこといくつか

ある日の近所の公園にて

 管理人が初めてペット店から買ってきたガータースネークは、今思えばたいした世話もしなかったのに11年ほど生きてくれた。連れてこられた当時、そのヘビは既に亜生体以上の大きさだったので、ひょっとするともっと年をとっていたのかも知れなかった。ガータースネークはヘビとしては比較的寿命の短いグループなため、最後の頃は鱗の感じや動きも明らかに「おばあちゃん」という風になり、食欲はあったがだんだんに空気が抜けたようになって、そして枯れ葉が枝からぱらっと落ちるような感じで死んでいった。両生類、爬虫類は時に、びっくりするほど長い月日を生きる。飼育下にある場合、野生での平均的な寿命を超越して長生きすることもしばしばある。このことを思い出すきっかけになったのは、最近動物園で老齢個体の世話を手伝う機会が多くなった事だ。基本的に一匹一匹が沢山の適切なケアを受け、大切にメンテナンスされるそういう場所では生体はとても長生きで、40年近く園で展示動物として働いている(?)カメやトカゲやヘビなどがざらにいる。そしてそれを取り巻く人達も、彼らが最後まで生命を全うできるよう、色んな工夫を凝らしていることを知った。その中から4つ、重要かと思うポイントをメモした。最近、飼っている生き物がなんとなく年をとってきたなあと感じる他の飼育者の参考にもなるかもしれない。高齢の両生類・爬虫類のケアは、管理人が興味を持っていることのひとつでもあるので、今後も新たに思いだした事があれば付け足す。

1.ハンディキャップがある

 歳をとると出来ないことが多くなるのは人間と全く同じ。比較的よく見るのが、目が見えなくなる個体。ヘビなどに多いが、外見的に明らかに水晶体が混濁しているものの他に、見た目はあまり変わりないのに実は見えてないというケースもある。両爬虫類は優れた嗅覚を持つものが多いのでそれでも問題なく生きていける事が多いが、念のため餌や水は口の前まで持っていって、きちんと摂れているか毎回確認することが必要になる。また熱を感知できるボア・パイソンの仲間は、視覚を失ったことによって餌と人の手の区別がよりつきにくくなる場合もあるので注意する。

 筋力の低下や関節炎も比較的よく見られる。これは特に樹上棲種において問題になる。体をうまく支えられなくなったり、関節にかかるプレッシャーが不快感になって、のぼり木などにあまり登りたがらなくなる個体もある。その場合、ケージ内容は模様替えをして、バリアフリーなレイアウトにし、わざわざ木に登らなくてもバスキング出来るようにしたり、水入れは浅くしてすべり防止の為に中に人工芝を入れてみたり、工夫する。樹上棲ヤモリなどは、平らな面が地面と水平になるように設置した角材を入れたりして、楽にとまっていられるようにする。

 かなり老化が進んでくると、多くの個体はハイドボックスの中など特定の場所で静かに一日を過ごすようになり、糞もそのままそこでしてしまったりするようになる。不衛生にならないように、数日に一度は個体を動かして下に汚物がないか確認する(ついでに軽くハンドリングして体をほぐしてやる)。脱皮等も失敗しやすくなるので手伝う。

2.水分は全てを助ける

 仮に乾燥地帯出身の生き物であっても、水分補給は頻繁に(できれば毎日)行う。水入れの器の水換えをするだけでなく、霧吹きなどで軽くミスティングをする。適切な水分補給は呼吸器や循環器、泌尿器などの負担を軽減するだけでなく、先に書いた脱皮不全などを予防することにもなるので、個体が若かった時以上に気を付ける。蒸れには注意する。

3.食餌内容に気を付ける

 牙やクチバシの角質が摩耗して、上手にエサが取れなくなる個体が出てくる。歯が定期的に抜け落ちるタイプの生物も、再生速度が遅くなるので、そのような状態であっても食べられるようにエサの内容を検討する。本来の生態に即した餌を控えめ・こまめに与えることが重要になる。両生類などは特に、なるべく代謝を一定に保つようにする。

4.苦痛を取り除く

 最初に少し書いたように、生体が野生での平均寿命を大幅に超えて生きていると、普通では見られなかったような障害や、病気にかかるようになったりする。腫瘍などはその代表選手かもしれない。明らかにコブの様に盛り上がってくる腫瘍などは特に、触るとどことなく苦痛を感じているようなそぶりを見せる個体も居るので、なるべく触らないようにし、程度によっては治療、または安楽死の選択も必要になるかもしれない。