2014年9月5日金曜日

「古き良きハープカルチャー」時代の終わり


 先日のメモでちょっと触れた、北米での危険動物条例(Dangerous Wild Animal Act)の改正の動きについて。この問題は2年前にも書いた事がありますが、最近、この「危険動物」のカテゴリの中にわれらがボアコンやアミメを含めようという風潮になってきているのが、ここのところホビイストの間で話題になっています。日本で既に経験したこのナンセンスに再び遭遇することになろうとは。法律の内容自体は別としても、こうして一歩一歩歩幅は小さくともここ5年くらいで当地の動物関連の法律が着実に改定を重ねている点も不穏な感じがします。極論かもしれないけれど、こうやっていつしか大型爬虫類自体一般家庭では飼えなくなるのではないかと、いち愛好家としては本能的に危機感を感じるものであります(実際今年の3月にはお隣のウエストバージニア州で、コンストリクター類ふくむ「危険動物」の飼育自体が全面規制になるというあまり他人事ではない出来事もあったばかり)。管理人は、いわゆる「危険動物」の飼育に関してライセンス制とかペット税の導入などには肯定的、というかむしろ、イヌネコ含む全てのペットに課税しろとすら思っているんですが、それと同時に、絶滅危惧種でもないかぎり自分の責任下で好きな生き物を飼う事は根本的・普遍的個人の自由のひとつだとも考えているので、「家庭での飼育も禁止」となったら人権にかかわることだと思う。

 これは日本に住んでる爬虫類ファンにも、100パーセント関係ないとは言い切れない話題ではないかと思う。アメリカは年に約11億3000万匹もの爬虫類を世界に供給する(2009年)世界一の爬虫類輸出国であり、このシュミにとっては心臓とかエンジンに匹敵する場所。爬虫類産業の場合、これらの数字の多くはブリーダーやプロショップなどの、ビジネス的にはいわゆる「中小企業」と言えるユニットによって支えられているので、一つ一つの法律や法例がそれらに与える影響についても気を付けなければいけないと思う。そして、多くのブリーダーにとって爬虫類は「仕事」として以前に、趣味としての根源的な情熱がないと成り立たない側面もあるのではないかと思う。たとえば自分が爬虫類のファームを持っていたとして、ペットショップ等に卸すためのメジャー種を「仕事」として増やす傍ら、アフターファイブは自分が本当に好きなアミメニシキヘビのブリーディングに力を入れていたとする。ところがある日を境に「今日からあなたはフトアゴとコーンスネークとベルツノとチョウセンスズガエルしか飼育・繁殖しちゃだめになりました」と言われたら、かなりやる気を失う気がする。実際のところ、日本で言われる「マニア垂涎」的な動物たちは、アメリカの商業ブリーダー達によって、本業とは別の情熱でもって細々と殖やされていることも多いのである(ユーロ産の個体であっても元親のストックはアメリカから来ていたりすることもある)。とにかく、シュミの世界においてこの国に経済的な元気さと人々の適度な自由さがあることはクリティカルである。

 ・・・とか言ってたら昨日テレビでカリフォルニアでペットのリューシスティックコブラが逃げちゃったよというニュースを見た。こうしてハープカルチャーは、熱心なハープファン達自身によって(よくもわるくも)転換していく気がしないでもない。最近いろいろなメディアを見ていると、全体的にこの国では「古き良きハープカルチャー」の時代は90年代後期くらいを境に終わった傾向があるように思う。