2012年4月24日火曜日

 1月のメモにちょっと書いていた北米での大蛇飼育に関する法改定について。この法律は今年の1月23日に連邦法令集に発表されたもので、3月23日、レイシー法(違法な野生動物、魚、植物の売買を取り締まる)に基づいて4種の蛇を有害種と定め、取り締まることを決定されたものです。今回の法改正を主に推し進めてきたのは全米魚と野生動物検査機関(USFWS)、全米地質検査機関(USGS)、南フロリダ水系行政管理局(SFWMD)などに自然保護団体が少々という構成で、この法律によってアメリカ国内ではイエローアナコンダ・アフリカンロックパイソン(セバエ、ナタレンシス両方)・バーミーズパイソンの国外からの輸入、州の境界線を越えての輸送が禁止になりました。法を作るという点では2008年にUSFWSが提案したボア科の全種+47種のニシキヘビを有害種として規制するという無茶苦茶な法案が出されて以来、度々話し合われてきたことらしい。この2008年の案はアメリカの爬虫類愛好家のグループによって打ち消された。ということで満を持しての改正ということのようですが、個人的にこの法律にどのくらい実効力があるのか、皆が実際これを守るのかどうかかなり疑わしいんですが、とにかく制定されたことには間違いないので以降公式の場面ではこの法が作用していくことになります。自分としてはグリーンアナコンダとレティックは免れたにも拘わらず、イエローアナコンダが規制されたのがかなり腑に落ちず、これについて愛好家の間では、米国ではこういう規制を実行する前に法が産業にとってどの位のインパクトを持つか調査が完成されなくてはならないため、現時点でとりあえず最も影響の少ない(=流通量の多くない)種を規制して様子を見てみようという事なのではないかという意見が多数を占めていた。(というかやはり欲しいと思った時が飼い時だったのだなァ…、最近だんだん色彩変異個体なども固定されてきて、これから面白くなりそうという雰囲気だったので残念)

 まとめ、管理人はこの法律は州法止まりだと思っていたのでかなりがっかりしました。このような法を全米単位で共有する意味を全く感じない。バーミーズパイソンがフロリダで生態系を破壊しているのは紛れも無い事実であり、フロリダ州や似た気候や環境のある州の間でこの法が発行されるのは理にかなっているますが一方で、米国は広いのでバナナで釘が打てるような州も沢山あるわけです。フロリダでバーミーズパイソンの大規模な帰化が起こったのは無責任な飼育者による生体の投棄やハリケーンによる繫殖施設の損壊が直接のきっかけですが、上述したような気候的に帰化はあり得ない州というのが多く存在し、本法はそういう場所からも爬虫類ビジネスの可能性を奪ってしまっていると言える。一番の問題は、一連の法改定の動きを通して愛好家の間に不安要素を作ったこと。育てるのに比較的時間がかかり、長寿でもある大蛇を好きで飼っている人々にとって、自分の飼育動物が将来違法になるかもしれないという不安感は確実に購買意欲の減少につながると思う。これらの観点からもこの法律は、本来は州法レベルにして、そのかわりにフロリダ州や近隣州で厳戒な効力を発揮する法を制定し、そういう所に力を集中するべき法であったと言えると思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿