2014年6月16日月曜日

うなぎのこと

 日本のウナギがIUCNのレッドリストの絶滅危惧1B類に載る予定らしいことを、とあるメジャーな新聞で見かけた。
 ちょうど去年の投稿でも書いたけれども、今回の記事も

 >レッドリストに法的拘束力はなく、直ちに捕獲や消費が制限されることはない
 >今後、国際取引の規制につながれば、日本の食卓に影響が出る可能性がある

などと、相変わらずなんとなくズレている気がする書き方だった。一つの種が絶滅の危機に瀕しているというのは「食べられなくなる~」とかいうのとは次元の違う話で、本来であれば国が自ら進んで禁漁し、その間種の保全にさらに注力するというのが筋ではないだろうか。国民の方も、「土用丑の日」等は暫くは形式的に楽しむことにして、実際にはウナギを食べなくてもすむような代替案を考えたりして、クリエイティブにやっていったほうがいいのではないか。あまりクリエイティブではないタイプの人は、ただ単にウナギを食生活から除外するだけでもいい。実際、あまりクリエイティブではない管理人も、ウナギやクロマグロはもう6年くらい食べていない。

 日本で土用丑の日にウナギを食べるというのは、調べたら1700年頃に始まった比較的新しい風習らしい。その当時の日本の総人口は、諸説あるが、2900~3100万人位だったとされる。一方先月発表された今の日本の総人口は、1億2710万人だったから、単純計算しても4倍以上に増えている。しかも我々現代人は、300年前と比較したらくらべものにならないくらい、リッチで長生きだ。世界70億人の人々が一斉に「牛肉のステーキが食べたい」と言ったところで、実現不可能なように、生態がまだ完全には解明されていないこと、完全養殖する技術も確立されていない(これは中国産やヨーロッパ産のウナギにも共通する)という点で、日本のウナギという資源にはそれだけの消費を補うだけの強度がなかったという現実を認め、獲って食べるのはここらでさっぱりと諦めたほうがいいだろう。そもそもクーラーも碌な製氷技術もなかったような昔の人々、日々労働に従事して、ひとたび病気となれば無麻酔で歯を抜かれたり逆子をひっぱりだされたりしなければならなかった当時の人たちが、夏の健康祈願に始めた習わしである。今、冷房の効いた部屋でのんびり読書やゲームをできる子供たちが、ウナギを「皮が気持ちわるい」とか言って残し、デザートのアイスを頬張るなどという状態(これは、管理人が実際に見た話)になったら、その伝統もそこまでだ。このように形骸化した文化にいつまでも拘り続ける必要性を感じない。

 因みに今回ネットで「うなぎのお菓子」で検索していたら、神戸のお菓子店で「うなぎの寝床」というケーキが買えることが分かりました。こういうもので丑の日の気分だけ味わうのも、なかなかモダンでいいと思う。