2014年4月29日火曜日

 国内で、ペットとして飼われる爬虫類の総数が280万とも、300万頭といわれるここ北アメリカですが、そんな中で定期的に話題になるのがサルモネラ菌感染症についてです。特定の動物種などから特定の感染症に罹患する人口が、例年に比べ有意に高まると「アウトブレイク」という疫学用語が使われますが、こちらで一昨日発表された報道によると、今年確認されたペット爬虫類から飼育者へのサルモネラ菌感染症アウトブレイクの引き金となったのは、フトアゴヒゲトカゲだったそうです。いきもの好きの皆にとっては周知の事かと思いますが、爬虫類にとってのサルモネラ菌とは殆ど常在細菌のようなもので、野生の爬虫類達もしばしば保菌しているし、一説によれば日本国内のペットショップで売れられる爬虫類のおよそ50%が、また欧米でもペット爬虫類の20~40%が保菌していると考えられています。

 近年こちらで問題となっているのは、大手ペットチェーンによって安価に供給されるペット爬虫類の存在により、基礎知識のない人々でも安易に爬虫類飼育を始められてしまうような状況が出来てしまっていることです。また上記のフトアゴヒゲトカゲのほかにもイグアナやリクガメなどのように、見た目にも表情がハッキリしていて感情移入されやすいタイプの爬虫類の場合、飼い主の側も知らず知らずのうちに節度を越えた触れ合い方をしてしまう傾向があると思います。そのような場に居合わせた乳幼児や抵抗力の落ちたお年寄りなどが、サルモネラ菌感染症の犠牲者となるパターンが多いということは、先月のシンポジウムに来ていた疾病管理予防センター(CDC)の方も話していました。ペット爬虫類由来のサルモネラ菌感染症は比較的重症になりやすいとされることと、抗生物質があまり効かないタイプの菌も存在するということで、こういうニュースを期にいきもの触ったら手を洗おう!を、改めて心がけたいところです。