2014年3月18日火曜日



 DC近郊はここのところ日本でいう「春一番」的な風が吹いて、陽光を浴びようとする人々で街も賑わいをみせています。管理人ももれなくその人波にまぎれて、ドライブがてら近くの自然公園まで行ってみたり、爬虫類・両生類の法律シンポジウムに足を運んだりと、比較的活発にしていました。シンポジウムでは爬虫類の法律について役人やブリーダー、爬虫類屋や愛好家が入り乱れ、フランクかつ真剣に議論していて、なかなかユニークでした。やはり日本よりも一足早く『ハーぺトカルチャー』が発生している米国だけに、文化が成熟する過程で出てくるさまざまな問題にもまた、一足早く直面する結果となっていることが感じられました。特に近年、爬虫類のブリーダーやお店、消費者による連合組織が政治的に実行力のあるサイズまで成長してきており、さまざまな法制定・改定の場面で「産業 vs 環境」のぶつかりあいがより激しく起こるようになってきているようです。今現在もビルマニシキヘビを含む数種のヘビの商取引の規制に際して、見直しを求める訴訟が長期化しそうな雰囲気となっています。何事にも自由な競争を良しとするアメリカ社会の基本的な性質が、こういうところにも生きているんだなあと思います。

 印象深かったのは、プレゼンテーションを行っている役人の人の多くもまた、オフタイムには自分でも自然公園へ行ったり、子供といっしょにペットショップへ行ってカメを飼ったり、裏庭のカエルの数を数えたりしている「いち爬虫類好き」だという点でした。これはシンプルだけれども非常に重要な事だと思った。


 動物愛護の観点からも、爬虫類をとりまく状況が大分変わってきているようです。この国では過去40年ほどの間で、爬虫類のなかでも一部の種類が非常にポピュラーなペットとしての地位を確立した結果、日本で言う「ペットのコジマ」のような全米チェーンが爬虫類の販売をはじめ、このような場で安価で供給される「入門種」が、幼児のサルモネラ菌感染であったり、虐待や遺棄などの二次的な問題の温床となっています。シェルターに持ちこまれる爬虫類の数は、地域によっては過去10年程度で5倍以上に増え、その大部分が7500円以下で購入された生き物たちであったとのこと。さらには、仮にシェルターに持ちこまれたとしても、本来犬や猫を扱っている人々では十分なケアを与えられなかったり、そもそも「爬虫類をペットとして飼うべきではない」という基本理念を持っている動物愛護グループが運営しているシェルターも多いため、結局収容された爬虫類達の大部分が安楽死処分になることもあるなどという、本末転倒ともいえる現状も明らかになってきています。

 他の動物と比べずっと遅れている爬虫類・両生類のレスキュー・保護・一時飼育などにまつわる「Code of ethics(倫理規定)」を、個々人の手からより大きな組織(団体、群政府、州政府、もしくは合衆国)主導で共有していかねばならないという問題が提起されていました。


 とかなんとか。

 外界の喧騒と小難しい議論をしばし離れて温室のトカゲを見ていると「まあ、いっか。」という気分になりました(笑)。この方は「ブラブラの奥さん」と管理人が勝手に呼んでいる国立動物園のフィジーイグアナ。「ブラブラの旦那さん」もいたのですが、ある日急に奥さんをどついて、別室送りになってしまいました。可憐、とか奥ゆかしい、という形容詞がしっくりくる、イグアナ類の中では稀有な存在です。