2014年4月13日日曜日

 ナショジオニュースで「フランスに続きベルギーで象牙を破壊」というのを見かけて、バカバカしさに呆れた。象牙に対して「善」か、「悪」かと断じるのは彼らの勝手だけど、「悪」と決めた場合にそれを粉砕して捨て去ってしまうのは、パフォーマンスとしてもなんか古臭い上、ランプのためにクジラを捕りつくし、グルメのために病気のガチョウや発育不良のウシを育て、奴隷を死ぬまで働かせたうえ、ある日突然聖人君主がおをしているいつかの西洋人の態度と重なるようで白けてしまう。もっと重要なのは、それじゃあ人間の経済的利潤のために殺されて、人間の政治的利潤(プロパガンダ)のために死んで残した牙までも焼きつくされる、肝心のゾウたちが犬死にだという点だ。法律の網目の間に挟まれて、死蔵状態の象牙のストックをどうしようがそれは国の判断だけれど、今まさに手元にある牙のために幾千幾万の象が命を落としたという事実はもはや変えようがないのだから、そこは”Keep Calm and Carry On”だ。例えばストックアップされた象牙を政府のコントロール下で少しずつ合法的に売って、そして得た資金をゾウを守るための啓蒙活動に使ったりする方がよほど有意義だと思える。

 爬虫類にも言える事だと思うけど、重要なのは「Xがほしい」という一部の人々の異常な欲望は尽きることがなく、そこで合法的に入手できないものは必ず違法に取引されるようになるという点だ。合法的に取引され得る象牙が減っていくということは、非合法に取引される象牙の量が増えるということとイコールだ。この汚れたニンゲンの世界で勧善懲悪を目指すことにはすごく意味があるけれど、その実現は難しいだろう。もともとの禁制品を合法的に取引できる窓口を作ることが闇取引を減らすことにつながるというのは大麻で実証済みでもある。もっとみんなが流動的に考えられる世の中になってほしい。