2013年7月24日水曜日

 パリ第6大学の研究者による最近のコモチカナヘビの研究で、おもしろい事が分かったらしい。内容はこうです。研究者が南仏で捕獲した120匹のコモチカナヘビのメス親から生まれたばかりの幼体のうち、半数に施設内で「最初の餌」をやり、残りの半数には何もせずにもとの生息地に放ち、その後2年にわたって追跡調査をしたそうです。すると、始めに餌をもらったグループはリリースされた場所に留まった個体の割合がより多く、また餌を貰わなかったグループは、2年後により大きな子供を生む傾向にあったことが分かったんだそうです。これによりコモチカナヘビの行動は、彼らの生活史における初期のほんのささいな出来事に起因して、変化するのではないかと考えられました。これって、前者のグループは生まれて早々に捕食に成功するという体験によって「餌が豊富にあるだろう」と想定されたその場所に留まり、後者のグループは、生まれてから一定期間を飢えて過ごしたために、その後より活動範囲を広げて、子世代に到るまで生存に有利となるような行動が誘発されたということになるのかな。子が大きくなるというのは何らかの遺伝的なレベルで活性化されているようにも思えます。

 遺伝的云々といえば、以前読んだものなどによれば、我々人間の遺伝子も食生活や生活習慣によって案外簡単に活性的になったり・不活性的になったりするようです。極端な例だとある一世代の人が飢饉や旱魃など経験する事によって、それ以降の子世代はより効率的に脂肪を蓄えるようになったりとか。これは、もともと厳しい自然があったアフリカやヨーロッパにオリジンのある人々がアメリカに来て劇的に太る原因のひとつとされています。コモチカナヘビに見られたように、日ごろの些細な選択の結果、実は何らかの変化が知らず知らず我々の生活に起きているという可能性も、結構あるのかも知れない。