2013年3月5日火曜日

photo taken by Tigran Tadevosyan, Jrvezh, Armenia  

 ちょうど良い機会にジャベリンサンドボアの頁を編集しようと、中央アジアから中東へかけての爬虫類一般について調べていました。上は、その間やけに気になってしまったパレスチナククリィヘビ(Rhynchocalamus melanocephalus sp.)。日本に時々輸入されるククリィヘビの仲間とは属が違うのにそれでもなぜかククリィヘビと呼ばれていて、melanocephalusの名の通り、基亜種では頭部は黒一色になります。この東トルコからイラク・アルメニアなどに見られる亜種satuniniが派手なオレンジで非常にお洒落な感じで特に心惹かれるものがあった。一瞬サンビームヘビを連想させるような樹脂的なテリのある鱗をしていますが、そのサンビームヘビと同じく一生のうちの多くの時間を土にもぐって、もっぱら虫の幼虫や無脊椎動物、アリの卵などを食べて暮らしているのだそうです。今後紛争などが起こらなければ5年以内くらいを目処に中東へ行ってみたいと思っているので、運がよければそのうち出会えるかもしれません。

 それにしても、本種やマッド・スネーク、一部のミズヘビなどにも見られるこの派手な色彩というのは一体何のためなんだろうと、いつもかなり不思議に思います。ぱっと常識的に思い付く可能性としてはやはり他の有毒ヘビへの擬態があるけど、例えば上のパレスチナククリイヘビの場合、アルメニアに生息する有毒ヘビはどれも本蛇とは似ても似つかないクサリヘビ科の仲間で占められているので、理由としてはあまり考えられない。となるとやはり外敵とのアクシデンタルな遭遇があった時、注意を逸らす目的なんだろうか。

 そういえばある時野生のズグロパイソンの写真を見ていてちらっと思ったことがあるのが、目立つ体の模様に対して頭部だけ黒いとか、首に襟巻き状に暗色部があるというのは、身を守るのにけっこう役立つんじゃないかという所です。斑紋のコントラストが激しいので捕食者(特に鳥類を想定)は明色部の多いボディの方に気をとられ、その間蛇は頭部を守ることが出来て、逃走出来る可能性が増すのかもしれない。パレスチナククリィヘビの場合、首の黒い斑のおかげでこのボディと頭部は別の生き物として認識される可能性もある。まーでも、しかしながら、こんなに派手な色使いになっちゃったらもうそのへんの細かな事情はもはや関係ない気もする。実は紫外線の下だと全然違う色に見えてるとか?・・・・・・う~ん。他蛇事ながら無事大自然を生き残っていけるのかと、無駄に心配になってくる蛇です。

0 件のコメント:

コメントを投稿