2012年8月14日火曜日

 福島第一原発のまわりで採集されたシジミチョウに異変が見られたという記事がアメリカの科学雑誌にレポートされていました。日本の学者による調査で得られたサンプルをもとにまとめられた報告によるものだそうです。5月に一回目、9月に二回目の採集をし、最初の調査では12%のチョウに身体奇形などの異常が見られ、二回目の調査ではこの異常の率が28%に上昇したとされていました。また繫殖実験によって放射性物質によって起こされた遺伝子の異常が遺伝する事が分かりました(9月に採集されたチョウ同士の子孫の52%に異常が見られた)。この9月に採集されたサンプルの繫殖実験がラボ内で行われたのかどうかが分からないのではっきり断言できないけど、半数を超すチョウに異変が見られたということになります。記事によるとこの9月のグループは5月のグループと比べ生育期間中により放射性物質に露光したため、遺伝子の損傷がより進んだということのようです。この異常は班の大小や触覚の長さが変わるようなものから、重度になると羽が生まれつきしわしわだったり、成虫になれずに死んだりしたということです。



 ところでこのチョウチョの写真見てて思ったのがヘビの品種改良のことなんですが、アメリカとかだと、びっくりするような品種をほぼ毎年のように作り出すブリーダーがいますが、あれって普通にやってたら不可能だと思うのです(今は違うと思いますが、色々なモルフが作出されはじめた初期の段階で)。例えば米国で初めてアルビノのボア・コンストリクターが繁殖されたのは1990年とも、1993年とも言われていますが、それから若干20年足らず巷には様々なモルフがあふれるまでになりました。ボールパイソンの品種改良とか本格的に騒がれだしてからまだ10年経つか経たないか位なのに、これだけ沢山の品種があるのは不自然に思います。このチョウチョとか見てると、例えば、発生のごく初期の段階で極僅かな放射線をチョロッとあててやるだけで生き物には結構影響がありそうですね。医療用や食品用・セキュリティ用などに放射線を出す器具というのは案外身近にあふれているから、人によっては容易にアクセスすることができるでしょう。選択交配と改良の結果、模様や体色の原形をとどめないような品種を見ると、わーきれい、おもしろい、欲しいなあ~と思うこともありますが、なにか本質的な異様さを感じることもあります。とまれ、動物の遺伝子であそぶのは楽しいということで人間達はむかしから家畜やペットなどに対してこれを行ってきたわけですが、こうして新聞記事を見たり原子力・核依存社会に生きてみると、いつ自分たち人間の番がまわってきてもおかしくはないなと感じた今日でした。

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