2012年3月10日土曜日

 震災から一年が経過しました。この地震による物的・人的被害の大きさもさることながら、やっぱり被災した地方に住む爬虫類飼育者の皆さんの事を思います。爬虫類だけに限りませんが、やはり生き物の愛好家の皆さんはふだんから自分の時間やお金を使って、大切に生き物を育んでいると思います。知り合いに熱狂的な蘭のコレクターがいましたが、阪神の震災で数十年を費やしたコレクション全てを失って、その趣味自体をやめてしまった方がいます。植物の人たちは概して、コレクションやその維持に人生の長い時間を捧げるので、それを失ったショックなどは大変なものだと思う。震災に比べたらめちゃくちゃ小さなことですが、自分の住んでるビルでもこの間火災の警報が出て、自分の人生に関わる重要書類を持ち出した以外は手ぶらで避難せねばならなかったことがあり、たった2匹しかいない蛇でも非常事態下では助けてやれなくなくなるんだなあ…と実感しました(火災自体はごく小さなボヤ程度だった)。

 植物や魚類、特に温帯以上の気候帯に住む爬虫類を飼育している場合平素からいくら備えを充実させておいたとしても、冬の日本や北米などでは有事の際生き物を死なせてしまう可能性があるという、ある程度の覚悟は必要だなと思いました。爬虫類を飼うことは趣味だから、自分の好きな動物を自由に飼いたい気持ちは当たり前ですが、一匹一匹の生き物を大事に飼う観点で逆に「自分の物質的・地理的状況からだとどのような生き物が飼えるか」という考えもやはり大事だと思った。日本の震災の例では単純に、加温に気を使わなくても良い種がより生き残るチャンスを得たと思う。飼育者同士のネットワークが上手く作用する犬や猫と違い、変温動物にとっては電気や交通の遮断された中、被災直後から一定期間をいかに乗り切るかが命運の転換点になると思う。



 ・・・ということが関係しているのかどうかは謎ですが、ボアの中では一番逆境に強いと思われるグループの一員がやってきた。スナボアは昔ショップでキープするのを手伝ったり、預かったりしたことがあるのみで全然詳しくないのですが、これはタタールサンドボアなのかなあと思っています(なんか違うような気もする)。スナボアのくせに結構顔がいいです。隙あらば噛もうとしてきます。

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